始まりのお話→ChainedMoons/PARADOX
…and after… #1
#2
突然のことに首をすくめて固まるおれ。
「なっ・・・!?」
「・・・やっぱり。
ね、これってさ、翔さんのだよね?」
え、何?
・・・あっ、もしかして・・・香水のコト?
自分では全然分かんなかったけど・・・
やべ・・・昨日付けたの、まだ・・・ 残ってた?!
とっさに左手で首筋を抑えながら思わず一歩後ずさった、次の瞬間。
グイッとこの腕を引かれ、そのまま抱きしめられて・・・
おれの思考が完全停止する・・・
えっ・・・?!
3秒後、ハッとして松潤の腕からすり抜けようと腕に力を入れ、
その瞬間持っていたペットボトルが床へ転がり落ちた。
「ちょっ、な、何っ?
まつじゅん、どぉしたのっ?
ねぇっ?・・・」
ペットボトルなんてお構いなしのまま、松潤が呟いた。
「ん・・・同じ香水つけて翔さんと一緒にいるつもりなのかなぁと思ってさ・・・
何か・・・、
それすげぇ切ねぇわ・・・。」
うゎ、・・・ バレて・・・?!
超恥ずかしぃんだけど!
一気に顔が赤くなるのがわかる。
できれば小さくなって消えちゃいたい。
「・・・ね、あの・・・、
しょぉちゃんには・・・
ゆゎないでくれる・・・?」
「何で? 翔さん知ったら、スゲー喜ぶんじゃねーの?」
や、それもそうなんだけどさ、そこはなんていうかまたね、難しいんだよ。
あんまり自惚れさせちゃうと翔ちゃん暴走するから・・・
あとがコワいんだって!
・・・なんてことまではさすがに言えず黙ってるおれに、松潤は続けた。
「・・・とにかく、翔さん帰ったら褒めてもらいな?
まー、ずっと頑張ったじゃん。」
松潤がおれを抱きしめたまま、よしよしって感じで頭を撫でてくれてるけど・・・
なんか調子狂うなぁ・・・
おれ、いちお、年上なんすけど。
「・・・正直言うとさ、
翔さんの留守中・・・
もしかしたらまーが使いモノになんねぇかもって、覚悟してた部分あったんだよね。
どーやってフォローしようかとか、俺なりに色々悩んだのが逆にムダになって・・・
ホッとしてるわ。」
「えーっ、ちょっと待って、おれそんなふうに思われてたのっ?」
思わず大きな声を出してグイと体を離す。
なんだよそれぇ、なんかちょっとショック・・・
「心配なんだよ、当ったり前だろ!
ってか、みんな・・・
ニノも大野さんも心配してたよ・・・。
・・・ま、そんな必要なかったみたいだけど?
とりあえず俺からのご褒美ってことで翔さん来る前にハグしてやるよ。
翔さん今頃もう空の上でしょ?」
あ・・・そっか。
みんな心配してくれてたんだ。
なんか・・・嬉しい。
こうゆうとき、
嵐でよかったって、
ほんと実感する。
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