僕ら、そいつどいつの単独ライブがありました。

単独ライブは楽しいです。

ひねくれた天邪鬼な僕も、めちゃくちゃワクワクします。


初めての単独ライブは2017年コンビを組んで3年目の時です。

フライヤーはNSCの同期で芸人を辞めて今は爆裂面白4コマ漫画を書いているせきの君に描いてもらいました。

今の芸歴となっては劇場を持っている吉本興業様のお陰で小さな会場なら自分達だけのイベントを打つ事も割と気軽に出来るのですが、この頃は簡単にライブなんて打てませんでした。

劇場のピラミッドを上り単独ライブをやっても良いと許可を得て開催した初単独ライブ『どいつもこいつも』

自分達のやりたい事を好きにやれる。

最高でした。

相方の竹馬の「これをやりたい!」という気持ちが前面に出て書いてくれたコントは忘れられません。

こんな事を言うと竹馬に「誰が言ってんだキメェな!オェー!」と言われそうですが見事でした。

最後のコントのオチ間際のくだりはお客さんが我慢出来ず「すげぇ!」って喋り出しちゃってました。


この初単独ライブを春の時期にやった所から何となく1年に1回って感覚になって毎年この時期に単独ライブをやる流れになりました。


こんな風に気持ちよく好きな事を好きなネタ時間でずっとやっていけたら最高なのですが僕達若手芸人は戦っていかねばなりません。


当時の無限大ホールのピラミッドライブでやるネタは3分で単独でやったネタは、ほぼ使えませんでした。

儚いです。


初単独でやったネタで普段のライブでやれたのは僕らのYouTubeチャンネルに載っているラーメン屋のコントを大分形を変えてやったぐらいです。



それから1年が経ち第2回単独ライブ『あなたのみかた』


1年ぶりに単独ライブをやると決めて打合せをした時に僕は賞レースで使えるようなネタをやりたいと言いました。

この時の僕らは劇場のピラミッドで上から2番目に安定して居場所は出来たもののテレビ出演も無く僕は何か目に見える結果が欲しかったのです。

初単独でやった1つの作品としての単独ライブというより使えるネタを重視してやった単独ライブ。

その時出来たのが慰問のネタです。

ネタ作りの段階から大笑いして今でもやってて楽しくてネタ中に笑いそうになるぐらい好きなネタです。

結果的には負けてしまったのですが、このネタをキングオブコントの準々決勝でやった時初めて準決勝が見えるかも!と思いました。

この一年後に、このネタでABCお笑いグランプリの決勝にいけました。

沢山テレビも出させていただきました。


少しコンビとして露出が増えてきた所での第3回単独ライブ『あいつによろしく』

御察しの通り、せきの君が書いてくれた絵を僕らの写真が邪魔してるということに気づき写真無しのフライヤーにしてもらいました。

手応えを感じ賞レースを目指し張り切ってやった第3回。

この時単独ライブ全体の作りについて竹馬と僕の足並みがズレました。

色々ありますが決定的なのはネタを作る前にライブのエンディング曲を僕の当時やっていたラップグループ高円寺WALKAHで作ってきたという大チョンボです。

かなり揉めました。

おぇー!

色んなことがギリギリで、今までで1番しんどかったと思います。

そこで出来たネタが僕らの代表作すっぴん

初めて僕らをキングオブコント準決勝に連れていってくれたネタ脱出ゲームです。


この年のキングオブコントの準決勝で、あと少し!と感じる手応えを得て、さらに何度も最終オーディションで落ちていた年始の「おもしろ荘」に出させて頂き仕事も増えてアルバイトをしなくても食べていけるかな?ぐらいに忙しくなりました。
脂が乗った状態で単独ライブの時期になりました。

チケット発売で初めて即完しました。
「即完」なんて良い響きなんだ。
毎回チケットを買ってくれてたお母さんを招待で入れてあげよう。エヘヘ!
あとはネタに全ての時間をそそげるぞ!

って時にコロナウィルスが現れました。
単独ライブは中止になりました。
舞台がほとんど無くなり遅れて入ってくるテレビのギャラをちびちび舐めました。
いったいこれからどうなっちゃうんだろう。
不安で一杯でした。
この年もABCお笑いグランプリの決勝にいかせてもらったのですが優勝できず、もうキングオブコントしかない!と気合に気合を入れて少ない客席と数少ない舞台で、とにかくウケるネタを意識して望んだキングオブコントで準々決勝で敗退しました。

そこから苦しい毎日で、なんか知らんけど14連休になってネタをやる舞台無さすぎてフリーライブにお金を払って出たりしました。
竹馬ともしょっちゅう喧嘩してしまいました。

そんな日々を過ごしていく中で1年延期して単独ライブをやることになりました。


1年越し、第3回から2年ぶりの単独ライブ。
単独ライブの打合せを竹馬とする時、心がワクワクするのを感じました。
揉めてばかりだった2020年には無かった感覚です。
賞レースしか無いと根を詰めて作ってたネタより遥かに楽しいのです。
竹馬の顔色もいつもより良くなった気がします。
あぁやっぱりそうじゃなくっちゃな。
『なんで面白いもん作ろうとしてるのに、つまんなそうにしてんだよ。もっと楽しそうにやれよ。』
コンビ組んで2年目ぐらいの時にネタ作りで詰まった時に僕の尊敬する先輩カゲヤマさんに言われた言葉です。
僕は自分を恥じました。
何でこんな大事な事を忘れちゃうんだ。
第二回の時に使えるネタだとか何だとか、ほざいて竹馬の「これをやりたい!」っていう気持ちを狭めてしまってた。
初単独の時の気持ちでとにかく良いもんを見せたい。
そう思って単独準備に取り掛かりました。
チケットが売れなかったり道具の問題とか色んな問題が起きたけど結果的に面白いに繋がっていったと思います。
客席も完売してやっとこさやれる!となったのですが緊急事態宣言でまたも延期になってしまいました。
苦しいしチケットを買ってくれたお客様に申し訳ない気持ちでいっぱいだけどへこたれず単独の内容をさらに詰めました。
そしてついに6月12日に無事開催する事ができました。
沢山助けてくれた作家さんと僕ら



舞台コジコジ でお世話になった、さくらプロダクションさんから差し入れも頂きました。

社員さんにスタッフさんに先輩同期後輩に僕らを好いてくれてるお客様、沢山の助けを借りて
今できる僕達そいつどいつの精一杯が詰まった単独ライブになりました。
やっと心のつかえが取れた気がします。

そんな単独ライブのアーカイブが見れるオンラインチケットが本日6月14日12時まで販売してまして16時まで視聴出来ます。
おいおい!
言うの遅えよ!
時間ねえよ!
何でアーカイブ1週間ねえんだよ!
肌荒れすぎだろ!
歯並び悪いな!
キメェ!
色々おっしゃる方いると思いますが、もし良かったら購入して見てやってください。

沢山の人に見て頂きたいです。
また単独ライブをやるために何卒よろしくお願いします。
会場で配った赤い鈴を手作りする竹馬。


僕の好きな人たちが、みんなしあわせになりますように。