389「ゴーン・ガール」 母が娘に、妻が夫に、理想を強要する | ササポンのブログ

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そしてサントラなブログ
ひとを観ていないものを観ます


とにかく
揃いもそろって
全部、不愉快
デヴィッド・フィンチャーの映画は

さわやかなのは、
1本もない

まあ、ベンジャミン・バトン 数奇な人生 ぐらいが
まあ、
ちょっと観客寄りかな・・と
思うが
そんなにヒットはしなかったし
面白くはなかった

残念ながら
このひとが
暗い画面の中で
クズとゲスが
蠢くさまを
描いていると
異様な迫力を生む

このひとの映画で
素敵な気分になろうとしてはいけない

この「ゴーン・ガール」は?

はい、
ゲスの極み乙女です。





なんだろうねえ
とにかく
素敵なひとじゃなくてもいいから
もっと
普通のひとを出せないのかね
出てくるやつが
もう
ゲスばかり

そのゲスの濃度が、
メインの登場人物になれば
なるほど
濃くなるので
その臭気たるや
反吐がでる。

さらにやっかいなのが
デヴィッド・フィンチャーは
とても頭がいいひとなので
冷静に
見事な手並みで料理する

さらに
映画的センスが抜群。

ようするに
ものすごい素敵な芸術的なセンスにあふれた
テクニシャンが描いた、
うんこの絵

そんな彼の映画を
僕は大好きだから
しょうがない

時々
「ゲーム」みたいな
あきれるような駄作もあるが
ほとんどが好きだ

ただ
クリスマスとか
正月に観る映画じゃない

絶対
アベックなんかで
デートでなんか観てはいけない

さらに
絶対にやってはいけないことがある

夫婦で観る

彼は、
この映画の音楽を担当しているトレント・レズナーにこういったそうだ
偽りのない気持ちが表向きだけのような音楽をつくるように・・と
この映画を見事に表しています

さて、
ここからはネタばれです




たしかに
人間はクソです

男も女もクソ野郎です

エイミーがいった
「なぜなら、わたしはクソ女よ」

この映画は本当に、
どいつもこいつも
いやなやつばっかりです

その中でも、
僕が一番不気味で
この映画で一番いやなやつは
妻のエイミーの両親だ。

とにかく
あの善人という記号を演じているだけの男と女
正直、
この映画の悲劇(喜劇?)の根源は
すべてこの夫婦、
特に母親にある

この母親、愛しているのは自分だけである
娘のことなど
観ていない
正確にいえば、
自分の好きな娘を
娘の意思など
資質など関係なく
押し付ける
大体、
あの絵本はなんだ!!
あれをよんだ娘が
どんな風に考えるか?

そんな妻の愚行を
許した夫

世間からは
理想の夫婦に見えるだろう

そんな両親を見て
それを無言で強要された
エイミーは、
静かなモンスターになっていく。




理想など、ロクなもんじゃない

特に理想の夫婦など・・
大体
夫婦は、どちらかの理想の強要だ

相手の性格や、資質など関係なく
どちらかの理想を
押し付ける。

さらに
それを
子供にまで押し付ける

僕は、
未来になくなる制度は
結婚だと思っている

大体、
特定の異性と
何十年も性生活を強要するなんて
不自然すぎる

そう
これは理想という名の強要の映画

男と女
親と娘

そこに存在する愛の正体は、
一方的な、強要だ

デヴィッド・フィンチャーは
完璧な形で
それを再現する
スクリーンの上に