聖地巡礼は行いたい派である。
作品が好き過ぎて、作中の人物が体験した事を自分でも行ってみたいのだ。
舞台になっている場所に行き、見ていた物を見たいし
使っていた物を使ってみたいし、食べていた物を食べたいのだ。
最大級の愛であり、リスペクトがある故である。
色々行った聖地巡礼で真っ先に思い浮かんだのは漫画「頭文字D」だ。
舞台になった所はほぼ行った。
“峠の釜めし”でお馴染みの「おぎのや横川店」は勿論のこと
時期のよっては行けない八方ヶ原や実は漫画以上に難易度が高い間瀬峠も。
勿論、神奈川エリアも制覇している。
なんなら、続編のMFゴーストの舞台も行っている。
え?ゆるキャン△の話もしようか?
ちなみに我が地元、笹塚が舞台となっている作品はアニメ「はたらく魔王さま!」や
ドラマ「孤独のグルメ Season10」の第7話にて訪れたお店「山横沢」がそうだったりする。
架空と現実を混ぜる。
普段からそこにある物が物語とリンクし、特別な物になるのは夢がある。
誇れるし、何より嬉しい。
また、観光の材料として0だったものが100になったりと
ご当地を研究する者にとっては非常にありがたい流れでもあったりする。
そんな聖地巡礼好きのササローなのだが。見つけちゃった。聖地を。
5月に静岡のイベントが決まり、何処へ立ち寄ろうか調べていたら、ありましたよ。その道中に。
2024年12月27日(金)深夜24時52分にテレビ東京のドラマ25の枠内にて放送された
「絶メシロード 2024 (2泊目)」に出てくる、濱津隆之さん演じる主人公の須田民生が
訳あって静岡県の方に赴くのだが、その先で選んだ食事処の
神奈川県足柄上郡にある「一休食堂」があるんですよ。
行くしかないでしょう!
わぁ、本物だぁ…。劇中、そのままだぁ…。
“シャーワー室”の看板も…。
推しに会う感じと同じ感覚。嬉しいを超えた嬉しい。
はい、そんな訳で一休食堂さんに参りましたよ。
来てみて分かったけど、アクセスが大変な所にあるのね。
電車の場合だと御殿場線の谷峨駅から徒歩で行ける距離となっている。
だが道中は歩道がないので、通る車両にお気をつけて。
車の場合は秦野方向からだと、新鞠子橋交差点から神奈川県道76号へ。
御殿場方向からだと、国道246号から谷峨駅入口交差点で右折して県道へ。
ちなみに上記ポイントをうっかり通り過ぎると、両方ともその先で左折出来ない為
かなり大回りして戻ってくる事になるので、お車の際は要注意だったりする。
放送を見ている時はどうしても主人公だけ目で追ってしまうので
注目していなかったのだが、こんなにも自然豊かな場所だったのかと新鮮な感じで驚いた。
目の前には酒匂川があり、またお店の脇にも小川が流れており
せせらぎの音と風でざわめく葉の音に包まれた自然を感じる素敵な場所だ。
現地に来ないと分からない、臨場感に気づけるのも聖地巡礼の良さでもある。
ではでは、お店に入ろう。
戸を開け、シャーワー室を横目に進むと夢にまで見た光景が広がっていた。
映像では伝わらない、肌で感じる昭和感満載の重厚な佇まい。あまりの渋さに感動した。
年季は感じつつも清潔感がとてもあり、大事に使われているというのが分かる。
椅子がいいね。老舗旅館の宴会場にあるタイプの椅子。これだよね。
見上げると、お品書きの短冊に芸能人のサイン、謎の魚の絵も。痺れたね。
更にお菓子コーナーもあり、瓶ビール類を冷やしている巨大な冷蔵ケースも。参りましたね。
ああ、何もかもが良い。
一休食堂さんに来たんだぁなと実感が更に湧いてきた。
ちなみに主人公の須田民生が座っていたのが、写真右側にあるテーブルである。
※恐れ多過ぎて、同じ席に座れないタイプ
お品書きを見る。
麵類から定食系までズラリ。
この何にするかなぁの時間が楽しかったりする。
本当はいきなり劇中と同じ獅子鍋!と、いきたい所なんですよ。
だけど、いかないんですよ。天邪鬼探偵。同じのは頼みません。
心の中で2次創作を作りたい派なのです。
物語をなぞるのも良いが同じシチュエーションの中、新たなストーリーを紡ぎたいのですよ。
if展開を妄想したいんですよ。もし、劇中の人物が違う選択肢をした時に
どのようなリアクションをとるか妄想をしたいんですよ。
なのでゼロの状態からお品書きを見て、真剣に悩んでおります。
そうしていると、お冷がやって来る。
こういう小さいコップのお冷でいいんだよ。この細長いポットでいいんだよ。
くいっと一杯飲み干して、結露で濡れたポットを掴み、水を注ぐ。
見つけちゃた!!!!!
早く注文しなければならないのに!!!!!
絶メシロード2024のフライヤーと濱津隆之さんのサイン色紙を!!!!!
濱津さんぁぁぁあんんん!!!来たよよおおぉぉぉぉ!!!!!
と、思わず心の中で手を振りながら叫んでしまった。もうこれは叫ばない方が逆におかしい。
ここに来て撮影したんだなぁという証。
嬉しくてしょうがないと共に一番見たかった物だったので、なんだかホッとした。
いや、ホッとじゃないよ。何を食べるか決めなさいよ。
この手のお店はやはりホルモン系。前の回もホルモン食べたけどいいんだ。関係ないね。
すみません、牛ホルモン定食お願いします。
牛ホルモン定食(1270円 )をチョイスしてみた。
小鉢・おかず・漬物・ご飯・味噌汁の定食五芒星が完成している。
やはり日本の定食は美しい。
劇中で『切り干し、優しい。』と評された、あの切り干し大根があるではないか。
毎日、自家製米をしている自慢の白飯も輝いていて見える。
そしてメインの甘辛い香りのする、ボリューム感満載の牛ホルモン。
なんだか、食べる前から胸がいっぱいです。
いただきます!
美味い。
ちゃんと解説して、その言葉を事細かく書いていきたいのだが
脳が言う事を聞かないんだ。本能の部分が指を使い、ただ「美味い」と
キーボードに自動的に打ち込むくらい美味い。
なんという濃厚な甘辛さ!味噌とは違う、サッパリ感のある中華風タレ。
このタレのお陰で、もやしや玉ねぎなどの野菜がご馳走になっている。
刻んだにんにくもガッツリ入っているので
甘辛さと共に旨味も香りもワンランクもツーランクも上になっている。
おかずにもつまみにもなる、想像を超えるパンチ力。最高に美味い。
肝心な牛ホルモンが更に美味しい。そう、更に美味しいのである。
豚とは違い、ホルモン特有の臭みが格段に少なく、噛む度に牛独特のあの美味しい香りを感じる。
いや、食感も全然違うな。炒めたホルモンなのに歯切れの良さに驚いた。
焼肉のようにヒョイヒョイモグモグと普通に食べれる。
そこに自慢の白飯もかっ込む。
ベタっとしておらず、粒感の分かる米。ああ、美味い。
作中ではご飯のおかわりしていたが、食べるとその気持ちが非常に分かる。
美味いおかずには美味い飯があればそれでいいのだ。言う事ないのだ。
優しい切り干し大根。
劇中と全く同じ物を食べれる喜びたるや。
パワー系おかずの後だと、箸休めならぬ、舌安めになる。
甘口な切り干し大根が多いが、これくらい素朴さがある方が好み。すんげぇ良い。
たくあんですよ、たくあん。
自家製ぬか漬けと同じくらい、黄色いたくあんも良い。
このいつもの感だよね。
見た事もないような、産まれて初めて食べる料理があっても
サイドにこの黄色いたくあんがあれば、即座に安心感が生まれる。不思議だね。
味噌汁も勿論良い。
家庭的な味で、また丁度良い塩梅でホッとする。
わんぱくなので、やはりやってしまった禁断のタレ飯。
タレの美味しさを十二分に感じつつ、無駄にしないやり方。こうしかない。
黄金色のベールに包まれた米を噛む。
一回箸を置いて、両手で親指を立ててサムズアップ。心の中でね。
なんでこう、タレ飯は美味いのか。
メインのおかずを脅かすくらいに美味いのか。
やはりニンニクと甘さが本当に良い仕事を果たしているなぁと、しみじみと思う。
タレご飯と共にたくあんもポリポリ。
切り干しから、たくあん一かじりしつつ、ちょっと残ってるもやしとニラをかき集めて食べる。
タレご飯で全てを食べ切り、最後に味噌汁でしめる。
最後に水を一口飲み、ふーっと一息。
素晴らしき体験と素晴らしきご飯!
聖地巡礼の良さは来た瞬間から帰るまで全部が特別な時間になる事を再認識致しました!
この上なく、ご満悦な探偵であった。
…ちなみに猪鍋は5月あたりは猪鍋は終了しており、11月再開との事。
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【お店情報】
一休食堂
住所:〒258-0115 神奈川県足柄上郡山北町谷ケ1021-1
電話:0465772530(予約可)
営業時間:月~金 10時00分~21時30分
土・祝 10時00分~19時
定休日:日曜日(※土・月が祝日の場合連休)
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