中学校の時に、いつも1人のクラスメイト


ひろこちゃん(仮名)が居た


ひろこちゃんは、


髪が長いけど、ボーイッシュで

いつも独特の雰囲気で

人を寄せ付けぬオーラがあった


自分から人に話しかけないで、


いつも、ぼーっとしていた




ただ教室にいるだけなら何の害も無いが

グループワークが基本の学生生活


自分の好きな友だちとグループを作りたい


それは、当たり前と言えば当たり前。



先生が

「はーい、じゃあ4人組作ってー」 


と言われても、


ぼーっと座っている


いつも1人のひろこちゃんは、

自分から輪に入る努力を全くしない。



最初の頃は誰もが


「うちのグループ3人だから、

ひろこちゃん、良かったら入ってよ」


なんて気を使って言っていたが



次第に、


ぼーっとしていて何も話さない、

ひろこちゃんを


皆、不気味に感じるようになった。



そのうち、呼んでもないのに

グループ作りの時に、


ぬっと同じグループに入ろうとしたのか

後ろに立っていたりして



ゾッした。



こちらは、もう

4人組が出来ているのにも関わらず



「グループに入れて」の一言を言わず、


ただ無言で立ち尽くす、ひろこちゃん




正直、ホラーである。





別に、誰も


ひろこちゃんに何か言われた訳でも、


何かされた訳でもないけど、



皆が、なんとなく


ひろこちゃんを避け始めた。




男子から見たら謎の現象なのか


「ひろこちゃんはバスケも強いし良い奴


それなのに女子は、ひろこちゃんを

意味も無くハブにしてる。


女子は性格が悪い」



と揶揄される。


ひろこちゃんの腫れ物扱いが、

余計に拍車がかかる。



女子は、そして私も必死だった。



日常的に平穏に暮らせるように、

友達付き合いやコミュニケーションを取って

住みやすい環境を作り上げていく


例えば、話を合わせる為に



同じ番組を見たり

同じ雑誌、漫画を見たり

プリクラの交換をしたり

同じ部活、委員会に入ったり



自分が「ハブられない」努力を

陰ながら努力する常識


それが女子の暗黙の共通の常識だった。




それを一切しない、ひろこちゃん


努力を一切しないのに、

勝手に仲間に入ろうとする、ひろこちゃん


こちらから話かけられるまで待つ、

協調性のない、ひろこちゃん



カウンセリングを学んだ今なら分かるけど


皆、ひろこちゃんが羨ましかったんだ。


どこのグループに属さずに

必要がある時だけ人付き合いをする


自分のやりたい時だけにやる



今日、ふ、と思い出した話