いも虫は、いつか自分が蝶になることを知っていました。
ずっと地面を這ういも虫にとって、それは大きな楽しみでした。
きれいな羽でひらひらと舞いながら、日の当たる花畑を散歩するんだ。
おひさまの下で自由にとぶんだ。
いも虫はその日が来るのをずっと待ちわびました。
ある日、さなぎになるときをむかえます。
いも虫は自分の体が変化していくのに意識を向けながら、枝にしがみついてじっと耐えました。
そして、とうとう羽ばたく日がやって来ました。
どれほどこのときを待ったことか。
ところが、いも虫は悲しい事実を知りました。
羽の生えた彼は蝶ではなく、蛾だったのです。
蛾は夜行性。
昼間の花畑をとぶことはありません。
彼はがっかりしてしまいました。
ずっと楽しみにしていたことができない。
みんなから嫌われるかもしれない。
彼は毎日、打ちひしがれました。
もうとぶのをやめてしまおうとも思いました。
そんなとき、突然ものすごく大きな音が聞こえてきました。
今まで聞いたこともない、何かが爆発するような音。
彼は、その明るさにびっくりしました。
そして、見渡すと周りにはたくさんの人がいることに気がつきました。
なんだ、これは?
彼にはそれが花畑のように見えました。
花々が月明かりの中で踊っていました。
蛾はその日から、毎晩行き交う花たちを心から楽しみました。
夏が終わるまでずっと。
保志 和美
米国CTI認定プロフェッショナル・コーアクティブコーチ
国際NLP協会認定NLPトレーナー
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☆横浜を基点に、関東以外からもキャリア・強み・英語に関するご相談をいただいています
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