おはようございます。

初ブログは、現在担当の固定資産関係より、資産除去債務に関して書きたいと思います。


【資産除去債務とは】

資産除去債務とは、有形固定資産除去の際に生ずる除去費用が法的に義務付けられるものである場合に発生する債務です。例えば建物にアスベストが使用されていた場合、石綿障害予防規則等でそれらの適切な処理が義務付けられているため、資産除去債務が発生します。

詳しい会計処理に関しては後述しますが、つまりは将来確実に発生すると見込まれる除去費用を取得の時点で債務として負債計上し、資産の試用期間中に費用として処理していくという事です。


現在の日本においては、原子力発電所など一部の例外的適用を除き、資産除去債務の計上は行われておりません。しかし、IFRSのコンバージェンス議論が活発に進み、国際会計基準の適用が予想される昨今、日本においても当制度の適用が必要という声が強まっておりました。

そんな中上場企業とそれら子会社等被連結会社には2010年4月からの強制適用が決定されました。


【会計処理】

資産除去債務の会計処理は以下のとおりです。


資産取得

⇒法的義務あり

⇒除去時に見込まれる費用を算出

⇒現在価値で割引き、債務として計上(負債)

⇒同時に取得価格にも含む


決算

⇒除去債務を減価償却費として費用化(固定資産の償却分+除去債務の償却分)

⇒割り引いた分の利息を利息法により除去債務に加算


除去

⇒実際の除去費用に差異が生じれば費用として処理


【適用にあたって】

以上簡単に会計処理をまとめましたが、実際適用するとなるといろいろと問題が出てくるのではないかと思います。

まず、資産除去債務は既存の有形固定資産に関してももれなく計上する必要があり、その際に認識された費用(適用前の取得価格-適用後の取得価格)は原則として適用初年度に特別損失として計上するとの事です。

まぁいつか除去費用がかかると法的に定められている以上、保有する資産の状態を正しく見積もり開示するという事は包括的な評価を基礎とするIFRS的には正しいのでしょうが、全て初年度に特損計上とは酷かもしれませんね。

例えば古くからの建物にはアスベストも含まれているでしょうし、工場を多く保有する化学会社などでは土壌汚染調査費用も少なくないのではないでしょうか(実際どれくらいの費用なのかは認識しておりませんが・・・)


また単純に費用の見積もりに要する仕事量の増加も、実務に影響してくるかと思われます。除去費用の見積もりにはテクニカルな知識が必要ですし、その調査のためにもコストがかかってくるでしょう。仕事量でいえば強制適用の4月といえば本決算で、企業の経理部門は死ぬような激務に襲われている真っ最中です。強制適用までの期間にうまく対処していかないと、本当におうちに帰れなくなってしまうのではないでしょうか。



以上まとめると、会計処理自体はそう難しくは無かったですが、実務での対応を考えると頭が痛くなりそうな話だという事です。

なんにしても決算業務に追われていない空き期間に早めから対処して行く必要がありそうですね。