おばちゃん仲間だと
いろんなパートしてる方がいらっしゃって


その人によって
ちょうどいい時間帯や
勤務地ってあるもんで



たまたま
霊園で
お花を売るアルバイトしてる人がいました。



お子さんの学校と
ご自分のおうちと
中間地点で
ちょうどよかったそうです




霊園とはいえ


自分には

これまで
なにも不思議現象が
なかったし
花売りに
気持ちがいって
特に嫌なイメージ感じなかったそうです




他には

供養でやってこられた
お坊さんのお茶出しや
法事の用意
回忌供養などの
予約の電話番
などだそうです




お墓の巡回もあったそうですが



墓石も
石で出来ているとしか
彼女はかんじなく
無機質なものとして
見ていたそうです



巡回といっても


墓石まわりの
ゴミや
燃えやすいもの
忘れ物の
確認などだったので




らくなバイトだなあと思っていたそうです。




友人たちも

そうなんだあ


都合つかなくて辞めたら
紹介して
なんて言ってたくらいです



気に入ってるから辞めないよ


彼女は言っていたのですが






そんな
彼女が
辞める日が来るとは……



これは



その霊園に、
噂がでてはいけないので
と、
少数の人にしか
彼女は話さなかったのですが






どうにも
気持ち悪かった出来事があったそうです




気持ち悪いとか表現しようがないと言っていました



前述で

回忌供養などで
住職がいらしゃると言いましたが


待機室として
ご案内する和室
があるそうなのです



彼女曰く

その部屋が

とても
生臭いかったそうです


掃除は毎日しているし、


ご住職の方々から
苦情もないので
そのまま過ごしていたらしいですが。




ある日


事務所の形態が、
細長くなっていて奥が
その和室となっています。 


事務室が
玄関に面しており
お線香を、販売するカウンターがあります



そのときも
墓参の方が
硝子戸を開け

お線香を買いにこられました


彼女が
お客さまに

お線香を渡そうとしながら


ふっと

そのお客さまを見ると


その方は


彼女の後方をじっとみつめ


目を見開き
動きが止まってしまっていました。



そのあと

ふっと我に返られ



あ、
要らないです


と、

慌てて
出ていかれたそうです




不思議なことに
その方は

すぐにまた、

戻ってこられ

また
戸をあけて

なにかを確認するように


さっきと同じ方向を
二度見して


なにも言わずに

戸を閉めて
帰られたそうです





そのお客さまが
見つめられていたその方向は……




あの和室でした

その天井を見ていられたのでした





彼女は

何故か合点がいったそうです




見上げられていた
和室の天井




その真上は
預骨室
だったのです



預骨室というのは
身寄りがない方の
お骨をお預かりするお部屋です




50個くらいの骨壺が
棚に所狭しと並んでいる部屋でした




時々

社員の方が
掃除されているのですが
皆さん
いい気持ちが
しないと言うことでした。



何故か空気が澱んでいて

お骨の前には
それぞれの方の
生前の写真が飾られています


そのせいか

室内に足を踏み入ると



いっせいに
こちらを
見られている
感じがするそうです



それと


もう一つ
いやだったことが



これは

お盆とお彼岸の時だけなんですが



事務室の隣が
法事の待合室なのですが



事務をしていると

突然

隣から

ガラス戸の
ガラガラと開く音が……



その度
お花かなと思い見に行くのですが



誰もいなく

そのうち


もう一人の
事務の人と


その時期になって

ガラス戸が開く音が
隣からすると

目を見合わせるようになったそうです

そして

なにごともなく
事務を続ける
……





そんなことがあって
一年くらい


慣れたつもりで
仕事を
続けてきましたが




今年になり
 

もうすぐ

また
お盆がやってくる
と思うと



どうにもいたたまれなくなり




辞めたそうです