人間だれしも腹が立つことはよくある。
言葉は怖いもの----言霊(言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。 発した言葉どおりの結果を表す力)
親しき中でも時にはある。
腹が立って仲たがいすれば今までの友情はぶち壊しになる。
腹が立つことは、精神にダメージを与える。
精神が病めば身体に変調をきたす。
腹が立ったなら相手の人を未熟な人だと思えばいい。
ティク・ナット・ハン
ベトナムの禅僧ティク・ナット・ハン師は、ベトナム戦争中は戦禍をくぐりながらどちらの側にも立たず、非暴力に徹した社会活動を推進した。1982年に南フランスにプラム・ヴィレッジを設立して社会的活動を継続するほか、その教えにひかれて集まる多くの人々への瞑想指導を始める。1967年度のノーベル平和賞の候補となり、プラム・ヴィレッジを西洋で最も大きく活動的な仏教僧院へと成長させた。アメリカの連邦議会で瞑想を指導したこともあり、世界中の多くの人びとをいまも導いている。私たちは腹が立ったらどうするか。師は冒頭のことばをつぎのように続けた。
自分に戻って、ゆっくり息を吸って息を吐きます。それを何回か繰り返して、何か行動を起こす前に怒りの面倒をみてあげます。これは平和の行動になります。
すぐに反応したりしないんです。自分の怒りの面倒の見方を知っていれば、ゆっくり呼吸しながら「今のはカチンときた。でも別に反応して行動する必要はない」と思われますし、「この人はいま幸福でないからあんなことをしたのだ」と思えますから、その人に対して思いやりをもち微笑むことができます。これは大きな勝利です。