「私、イケメンと恋がしたいわ」

ある昼休み、女子4人の会話。
通称‘毒女の集い’と皆から言われているのだ。

言い出しっぺは、橘 ペチカ。

「ペチカ……」
イケメンなんかいないよ、みたいな瞳で
見る 七ツ星 恋歌。

皆哀しげな瞳で見る3人。ペチカは思いっきりおでこを打った。

「……皆反応薄すぎ!」

ペチカは指を、不特定のまま、さした。

「ごめん、ペチカ……。イケメンなんてこの学校には居ないわよ」

「イケメンに恋するなら、性格に恋すればいいのではなくて?」

「容姿大事かしら?そんなに……」

3人はペチカをあざ笑う。上から順番に

七ツ星 恋歌
風見 アリア
萩野 玲奈

「えー。みんなしてひどいぞ!
ペチカ容姿綺麗じゃなきゃ人生損した気分よ?」

ピュアな乙女心のペチカ

毒妻のような意見をもつ毒女3人組

「ふーん。ペチカは男が好きなのね」

恋歌が訊く。その言葉に消沈上々鎮圧!

「そんなわけ~」

もうこの3人は年齢偽ってそう。そう思っちゃうのも自然のせいよね!

「……男に惑わす毒男も居るわよ?
ペチカ」 

毒女に支配されるわたしを助けて!

ヘルプミー!

「そうよ……。だからペチカ。恋するときは見極めるのよ?」

……アリアは恋愛を知り尽くしたかのように言う。

「恋は誰も助けてくれないのよ。以上」

萩野 玲奈は華麗にミニスカートを揺らし
教室から出ていった。


「……ぐうぅぅ」

ペチカにも運命の出会い欲しいな……

「橘君。絶対ダーリン来るからさ」
「楽しみにしときなよっ!んじゃあね」

ふたりに完全に置いて行かれました……


ペチカは恋の出来ないウサギとして川に流れてゆきます。
彼持ちの毒女は見捨てます。

ペチカは彼に飽きられ捨てられます
毒女は彼を猛毒におかし、虜にさせます。


残された無垢な少女ペチカと
毒女のつるぎ。盾は毒におかされた彼。