夢見がち [ 結城沙羅 ]
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私にこのような勇気が有るだろうかと思う

昨日主治医の先生とお話した事は

病人さんには伝えなかった

沙羅にはどうしても言えなくて

顔に出ていたと思う?

出て居無かったと思う


ですが

今日、お買い物から戻ってきた時に

横に成っていたのですが

「起きるのに手を貸して」と言われ

「腕は引っ張ると抜けたら困るので

首に手を回して」と言って腕の下に手を差しこんで

起こしたのですが

座って暫くすると


「このままでは、俺は死ぬな、昨日

先生は何か言ってたか?」と聞かれました

もしかしたら探りを入れていたのかもしれません

ですが

本当の事を話し合えるのは

今しかないと思い

次に入院する時には

緩和治療に成ると言っていた

苦しそうな時には

うつらうつらと眠るような治療に成ると言っていた事を

伝えました


でも

もし、苦しくて病院の方が良いと言うなら

19日に行った時にそう言えば良いけれど

緩和ケアをして頂くにしても

食事が病院のお食事では

食べられないでしょ?と言う事で

出来たら家の方が良くないかと聞きました


病人さんは

その方が良いと


但し

血痰や、誤飲、意識の状態によっては

黙って病院に連れて行くよと


是は結構辛い質問でしたが

「やりたい事、会いたい方、見ておきたいもの、何か無いか?」

是が一番沙羅の気に成る事でした

白血球の減少のせいで

お見舞いをお断りして

皆さん、お電話やメールでってなると

何を言えば良いか判らないのでしょう

間遠くなってしまい

喉の都合で話辛いのも有り

病人さんが連絡を取る事も無くなってと


気にされているかもと

とても気に成っていたのです


「何にも無いけど、ああ、お寺さんの件

此処に書いて置くから、後は無い」

「気に成る事も」

「無い、只沙羅には感謝している

その事を伝える事が出来ただけで良い」と


やり残したことも

思い残した事も

気にしなければならない事も


人が此の世を去る時には

何事も、完全に終わらせてと言う事は

無いと思っていました

手がけている

途中のお仕事や

つながりの途中の人間関係


其れらのもの、何も思いに残す事は無く

完全燃焼と


これほど潔い去り方が出来るほど

毎日を精いっぱい生きていらっしゃったんでしょうか?

本当に不思議です


「今度、医者に行った時に余命何日か聞く、

聞いてから、妹に連絡する」

連絡も其れから出良いと言います

何回か、お見舞いに来て頂いていますので

必要な事はお伝えに成っているのかもしれませんが


意識の有る間に

お話をしたい方はお一人


ご家族皆様でも無い


沙羅より 汗