残念ながら息子は大学受からず
家を売って迄御金の工面をしたが
役には立ちませんでした
高校が面白く無く
途中で中途退学するかもと思っていたのに
すんなり卒業
同じ遊び仲間は途中で一人また一人と
退学していき
最も仲の良い友達が
単位が足らなくて
残り２週間で後一時間欠席したら
留年と先生に注意され
その一時間を取る事が出来なくて
留年してしまったのに
息子が卒業出来たのは
餌に釣られたからに他ならない
「卒業したら車を買ってやる」と言う
甘い餌
一年棒に振られて
遊ばれた上退学する羽目になるよりは
彼の人生においても
又此方の金銭的なゆとりに置いても
賭けるだけの価値はある筈
３学期の中間テストで
親が呼び出され
指導を受けた時点で
危ない状態だったのが
なんとか卒業
５月には約束の車を探しだし
親に膝談判
当然即金で支払い
お互いが約束を果たした
６月梅雨時になり
時に窓を開けて眠りたいほど
暑い時がある
クーラーや扇風機には早い
所がどうもこの時期に成って
何やら匂いが鼻に付く
雨上がりの湿度の高い日など
たまらなく吐き気までする
何と言っても家のまん前に
とてつもないゴミ屋敷
匂いの元は分かっている？
ご近所何処のお家でも苦情を言いたいのだろうが
この家には屈強な若者がいる
明らかにその筋の方と見受けられる方
そしてその方の奥様か
此方も一筋縄ではいきそうも無い方
そして赤ちゃん
年配の御夫婦の５人家族
いわゆる生活保護世帯で
市役所の方お見えになり
家に上がりも出来ずで
表で御話をされるのだが
年配の男性の方ご自分がいじめられているよと
大きな声でわめかれる
自分には物を大事にする権利は無いのかと
いきりまくる
役所でも手の打ちようがないようだ
此処に好んで住まいを得たのは自分自身
最初から住んでいる方の方が
力は強い
どうにか頑張って早くこの場所から
住まいを変えないと
良くないだろうと
ひたすら仕事に打ち込む
朝５時起きで出掛け
夕方？いや、夜戻ってくるのは
８時９時子供達は自分で
食事を作り
台所を荒らし放題にしても
親を待たずに済ましてくれている
長男は自分で探した土建会社に通い
次男は高校生だが
兄に抑えつけられ大人しい
家にいるより
父の職場に来て雑用でも
手伝いをしている方が良いらしく
学校から帰ると手伝いに来る
７月初めの暑い日に
家に帰ってドアを開くと
何やらぶんぶん羽音がする
不気味な位大きな音
玄関の壁のスイッチを手探り
電気を付けて見ると
右手の炊事場の蛍光灯が
ぱっと点いた
４畳半一間の小さな炊事場男の子が
二人もいるので冷蔵庫だけが
大きな位置を占め
その冷蔵庫に触れそうな位置に
安物の蛍光灯がともっている
所がその蛍光灯の周りを
何十匹の
銀バエが飛び交っているではないか
大きさが尋常では無い
約３ｃｍ程
こんな大きな？是は本当にハエだろうか？
見ると台所だけでなく
開け放した隣の居間にも
何匹も飛んでいる
取りあえずは窓を開け放し
外に追い出し窓を閉める
クーラーで凌いで
二階に上がって見ると
二階にも数匹
何方も是を見て異常を感じない方
いらっしゃらないと思う
その夜布団に入り
古いクーラーのぶんぶん唸る音を聞きながら
強烈な吐き気で
眠る事が出来なかった
隣にお住まいの男性一人暮らし
新聞配達をされているようで
時に昼間に家に用事で戻ったりすると
見かける事がある
５月の初めに一度見かけた時
「先日は夜中に騒がしくしてすみません」って言われて
「あら？全く気付きませんでしたが何時ですか？」と問うと
「引っ越ししてこられた日ですよ、タンスを動かしていて
ひっくり返してしまったもので」といわれる
新聞配達の仕事をしているので
夜中にバタバタしてしまってと言いわけをされた
「ああそうだったんですね、疲れていたのでしょうね、ぐっすり眠っていて
誰も何も言っていませんでしたので、大丈夫です」と言いはしたが
あの時喧嘩か何か
取っ組み合いのような？
もしあの時に喧嘩をして
相手を無きものにしていたら
その始末に困っていたら
家の中に其のままとしたら
この銀バエの大きさで
遺体の死亡時期特定するために
ハエの何かが捜査の時に
重要な証拠に成ったような
もしかしてゴミ屋敷の匂いに惑わされ
隠されているものが有るとしたら
現にこの銀バエ
飛び交う位置ゴミ屋敷では無い！
それに新聞配達は２時頃には
出掛けなければならない筈
そんな時間に
家具の移動をしようと思うだろうか
朝刊を配達して
配り洩れの為の待機時間を考慮しても
１０時前には時間が開くはず
そして夕刊の配達終わるのも
夜の７時には終わるだろうに
何故夜中の２時過ぎにタンスを動かす？
続編へ 沙羅より