不思議と言おうか

間違異物と言おうか?


元旦に親戚の方達

今年は二十四、五名の方

実家に集まりました

この中に今4年生の男の子


子供さんが遊ぶお部屋と

大人の方が飲んでいるお部屋

この部屋が暑くなったので


子供さんが遊んでいるお部屋に

避難して

籐椅子に座って涼んでいました


この籐椅子の横の隅に

座布団が沙羅の椅子に座った

肩辺りまで積んで置いてあったのですが


子供達は例によって

部屋中を駆け回り

鬼ごっこをして遊んでいます

部屋のテーブルに

お食事が此方は予備で

ラップをしたまま乗せて有るので


テーブルの周りを走って

追いかけなければなりません


先の少年勢いよく走っていたかと思うと

その座布団の前で

ピタッと止まり

座布団に向かって

人差し指を立て


「ダメダメ、今は無理、出て来んといて」と

誰かに話かけています

「また、あんたはそんな事言うやろ」と

子守をしていた彼のお母様の目に触れ

お母様が注意をします


後でお母様奇絶無く思ったのでしょう、

沙羅に「気を付けるよう言ってるのですが」と

何ともったいないお話でしょう

お母様にそうお伝えしたのですが


お話を聞くと

小さい頃から見えているようで

怖がりはそのせいのようです

で、怖がりのくせに

お化けのお話は

大好きなので、用心するように

言い聞かせているとのお話でした


実は彼は3歳ごろに

沙羅の頭上を見て

怖がって泣き叫んだ記憶が有ります

必死にお母様にしがみついて

涙ぽろぽろ流しているのに

お顔は沙羅の頭上を

凝視している


沙羅が見えるのって聞くと

あっち行ってと叫ぶみたいに

所が沙羅の事は好いてくれていて

おひざに乗る時には

本当にそーっと目線を上に向けないように

行儀良く膝を揃えて

座ってお話ししてとせがむ


甘えるにはとても勇気がいりそうなのに

何が見えているかは

絶対言わない

多分沙羅に気を使っている

悪口を言ったと想われたくないのだ


と言う事は

沙羅をお見守り頂いている方の形相は

男性女性お一人ずつ

女性は毘沙門天の様相

付従う男性は、山武士か僧侶の風体


この男性女性を守っているらしい

沙羅では無くです

なので沙羅を守ってくださっているのは

この女性の方

沙羅の我がままが高じると

女性の方が尽力頂く

この方が危険な目に合わないように


沙羅を抑えたいのは

僧侶風体の男性

なので」この方はお怪我をされたり

切りあいをされたり

もしかしたら頭上に見える風体は


血を流し白目をむいて

他を威嚇し

歯を食いしばって耐えている

そんな風体で

小さな冒険者の男の子の前に

姿を現しているとすると


この男の子の想像力は

自分の身に降りかかる災難を想像して

恐怖におびえるのも

無理無いかもしれません


もう少し大きくなったら

この少年とじっくり

お話聞かせて頂きたいと思う


次元の違いで

其処を行き来できるものが有るとすれば

気付きが有るのに

それが小さな少年と言う事だけで

無視するのは

余りにももったいない


それに残念ながら

人は自分が見えているものしか

信じる事が出来ないのだから

彼を排除してしまう可能性がある


そうすれば彼は嘘をついて

生きて行かなければならない

それは可笑しいと思う

なので、彼に人を見る力が着くまで

例え家族でも

誰と誰なら話してもいいと


お母様から教えて置いて

頂くように言ってみた


彼の人生が

この後2,3年で

方向決まるような気がしてならない


沙羅の頭上の方へ

お願いだから余り怖がらせないで

彼には守りの方が着いていらっしゃらないらしい


だが 死を3回経験されている

空洞の守りをお持ちなのだ

全てを受け入れ受け流す

我が身に傷を負ってなおである


いい子ね  沙羅より