何と優柔不断な!

「お目覚めくださいお嬢様」

先程から さきの呼ぶ声が聞こえている

聞こえてはいるが

(目覚める)とは何?


「起きてお召し替えを」

ああ!思い出した

そうだ!!起きなければならない

「何故って?」

今日のお出かけは重要と

先日お父様に釘を刺されたわ


何方か大事な方にお目にかかるのですって

幸い一人で出かける訳ではないわ

やんちゃな妹と

しっかり者の姉

そしてのんびり屋の私

そ!三姉妹揃ってお出かけ


さきは私の召使い

「江様も都様もお目覚めのご様子」

それ位分かっている事

私が急いで起きなければならない理由にはならない。


「菊花様!お早く」

父に今日の日を言い渡されて以来

さきは大忙し、着る服に悩むなど何とも不思議なのだが

朝から晩まで駆けずり回っている。


何もさきだけではなく、江の召使い静、

都の召使いよし三人共

多分父や母に言いつけられているのだろう

自分の主が一番美しく見えたと言われたいのだ。


江は協力的だから静は大して苦労をしてはいないと思う

都は飛び跳ねている

好きなのだ、お出かけもだけれど

新しく着物を作って頂けるというのが嬉しい。


私?

昨夜もさきに明日はどれを着るか

決めてから休めと言われたが、決まっていない。

江は決まっている、都は?きまってはいるが

何時気を変えるかは分かったもでは無い


さきは薄い黄色味のかかったものを押している

確かに、体の線が引き立ち、尚且つその場を明るく。

が?

気になる色の服が頭に浮かんだ

それでは起きましょう。

「紫にしたわ」

「招致いたしました!!」

さきは飛んで行った。


色は決定 紫 沙羅より


http://ameblo.jp/sarayori/entry-11360136423.html