叔父に電話を入れると事務所にいるらしい。

福知山に金井さんと松下さんのふたりの社員さんを残して来てあるので、仕事には差し支えが無いようで、ネットの普及はこんなに遠くに離れていてもお互いの仕事の交換が何の抵抗も無く、スムーズに行えると言う事、やっぱり凄い!


今夜もう一度細部の打合せに皆寄ってくださるらしい、昼の間に、木村をおびき寄せるための場所を直美の家の近くの公園が良いだろうと、北井刑事や桐村さんと池田さんが現場を確認に行っている。


森さんと諒助叔父は顔を知られている可能性を考えて、現場には行かない。

こちらも下見をするが、木村も狙うなら直美のほうが手薄だと考えるだろうから、きっと身を隠す事が出来る公園を確認しているはずだ。


6時過ぎには皆が集まった。

決行は明日の午後、これは北井刑事の調べで、昨日の事件後木村が自宅マンションに戻っていないのを確認しているが、もしかしたら追い詰められた状態になっていて、こっちを警戒しているだろうとの提案で、伸ばせば伸ばすほど、凶暴になる可能性を考えて、明日の午後からの決行と決まった。


昼過ぎに直美の家に送ってもらう、これは妹さんの見舞いに行くと直美に電話で連絡を入れて置く。


門で車を降りる時に、帰る時には電話を掛けるからと、乗って行った森さんの車を降りる。


直美の家で一時間位遊んでいる。

そして、夕食の時間になるのでと玄関を開け外に出て森さんに電話を掛ける。

直美が「森さんに電話がつながるまで、此処で待っていたら」と大きな声で聞く。


此処からは沙羅が一人で行動をしなければならない。

木村は見張っているかもしれないし、来ていないかもしれない。

でも来ていて直美との会話を聞いているものとして、森さんに電話がつながった時にもちゃんと、公園で車に拾ってもらえるように、少し大きな声で、伝えなければならない。


その間中、周りの不審な動きには目を配り自分の身を守らなければならない。


この公園に着くまでの間の警護は、動いているので、木村にに不審に思われないで付けることは難しい。

あまり人通りの多い公園では無いのだ。


公園でも歩く位置が道路側だと少し茂みがあり数人の人間が身を隠す事が出来るので、この位置を歩かなければならない。

反対がわは、歩道に策がしてあって、身を隠すところが無い、そして、もし策に追い詰められると、沙羅では逃げ場がない。


こちらが身をひそめる事が出来ると思うと言う事は、相手も一緒で行動を起こすとしたらここしかない。

木村は単独で行動を起こすはず、もし車で来るなら、盗難車を使ってくる可能性が高い。

自分の車は事故を起こした後、まだ警察に保管されている。


こちらも手持ちの車は出せないので、レンタカーを進行方向に待機させる。

万が一、一方通行を反対方向に侵入したりした時の為に、一方通行の出口と入り口にも森さんと池田さんの車を待機させる。


歩いてくるなら発見も容易だが、単車で、刃物を手に持ってこられるとその時は、沙羅が自身で持っている鞄でのど元を保護しなければならない、この時ばかりは、発見してから、沙羅のもとにたどりつく迄に木村のほうが早く、襲いかかる可能性がある。