翌日から、森さんが送り迎えをしてくれることになった。

少しは大人になっているはずだが、森さんの沙羅に対する扱いは全く変わらない。

いい意味で言えばプロフェッショナル、悪い言い方だと、子供扱い。

同じ年の直美は恋人で、沙羅は子供並み、何か違うと云うことらしい。


桐村さんは2日程は良助叔父の部屋に泊っていたが、福知山に帰ってしまった。

ガードがつくと動きにくいのは当たり前で、何ともしがたい、学校の中はさすがに入ってこれないのだが、3人とも1週間もすると、悲鳴を上げていた。


ありさは暫く愚痴っていたが、さすがにゆきの行方不明の事や森元かなさんの件を説明すると頭が良いだけに自分から、用心すると約束した。

どうも動きがなさすぎると皆が不思議がっている内に試験も終わり、夏季休暇が訪れる。


ガードがついて、遊び歩くことが出来ないお陰で時間だけはあったので3人とも補講はなく、休みに入った。

ありさは休みになった途端、実家に飛んで帰った、旅館の仕事が忙しいのだ。


沙羅は何時も通り福知山の良助叔父の家に帰った。

森さんはこの時期はお役御免で、時折直美の近況を報告してくれるらしい。