叔母の家族は今から埼玉に向けて帰る事にしたらしい、

一人入院中の祖父の事も気になるし、子供の新学年も始まっているので急いで帰らなければならない。

京都の大伯父も帰って行って、沙羅と諒助叔父、そして桐村さんだけが残った。

白木の小さな祭壇が居間に安置され、父母が一緒に写っている写真が遺影に飾られている。

諒助叔父が祭壇に線香を供えながら

「沙羅は 俺と暮らす事になったから」と言う、

新学期は始まっているが、49日までは此処に住んで、49日の法事が終わったら諒助叔父のマンションに引っ越す。

その方が高校に近いのだ。

四條畷の高校に行けたら少しは寂しさも紛れるかもしれないが、こればかりは決まってしまっているので仕方が無い。

新しい高校の教頭先生と、担任の男の先生が弔問に来てくださっていた。

中学校の友達も「onisi」やスーパーの人達も、パートのゆかりさんもパパの会社の偉い人も、皆、諒助叔父が挨拶をしてくれていた。

沙羅は何にも出来なくて、諒助叔父に頼りっぱなしでいて、このまま、高校まで行かせてもらっていいのかと思った。

埼玉の叔父が、「家のローンも無くなってよかった」って言っていたけれど、このまま此処に住んでいてはいけないのかな?