沙羅の部屋は洋間の6畳程の大きさで小さなベッドのまくら元に机、ベッドの足元の飾棚にTVと人形や教科書や本がいれてある、

その隣には衣装ダンスその扉には鏡がはめ込まれている。

今写っているのは泣きはらした目をした惨めな小さな女の子、入学式に着るはずだった真新しい学生服を着て頼りなげで、沙羅は段々腹が立ってきた

。気を使って、心配をして、諒助叔父が代わりに見ていてと頼んだから付いて来てくれたのだけれど、何も部屋の中まで来てくれなくても良いのに。

部屋の中は埼玉の従妹達の荷物が置いてある。

後で二人で此処で眠るのだろうと思った途端、まだ一人では無いと気付いた。

未だ家の中には埼玉の叔母夫婦と従妹達がいる。

母方の祖父は入院中で長距離は無理だろうと、来ることは出来なかった。

父方の祖父母は他界していない。

大伯父が来てくれたが沙羅は初めて顔を見た人だった。まだ桐村さんの方が見た回数は多い。