沙羅の母もちゃんとお菓子を準備してある。
それにパートのゆかりさんはもう帰ってしまったが、沙羅でもゆうちゃんの相手は大丈夫。
今年中学校を卒業し既に高校進学も決まっている沙羅は、特にクラブ活動をしている訳でもないので、卒業式が終わってから、お店に来て、パートのゆかりさんに店番を頼み、母子一緒の時間をよく過ごしている。
ゆうちゃんはクッキーにつられて、お母さんが３着程試着をする間大人しく沙羅と遊んでいる。
飲み物がなかったので自動販売機で稟議ジュースを買って飲ませてあげた。
沙羅は一人っ子なので小さな男の子の扱いは馬くは無いが、お腹をすかしている男の子は遊び相手ではなく、おやつをくれるなら、誰でも良いみたい。
一寸大きめのクッキーを慌てて２つ食べてリンゴジュースを大事そうに両手で持って飲んでいる。
沙羅は絵本を読んであげながら、もう一つクッキーを手渡してやった。
破る