だけど、もしかして桐村さんは女性に興味がないのかな、

それとも沙羅が、少し子供っぽくて相手にならないのかな、

などと、ガッカリしたりしている、それなので余計、さっきまでは何気なく手を出されると、ありがとうと手を借りてしまう、

看護師さんとか、ヘルパーさんを頼っているような感じかな、

でも実際はたとえば桐村さんが抱きかかえてくれる時に体に触れる部分はとても気になる。

そして、彼の首に手をまわし、直ぐ顔が近くにあるとドキドキする、沙羅の顔を上に向ければ彼の唇に触れそうな気がする。

何気なくしてくれる、動きが、沙羅にはありがたくもあり、少し物足りなくも思っていた、

今は、特に、さっきのマッサージの後の悩ましい夢が思い起こされて、緊張する、

「落とさないから大丈夫」と言いながら、階段の上で下す、

沙羅はすぐ着替えを取って出てきたら階段で待っていてハイと手を出してくる、沙羅は思わず、

「大きな赤ちゃんを世話しているみたいで、大忙しですね」と笑うと、

「いいもんだね」と笑顔が返ってきた。何かすることがあるということはとてもいいね、それなりの見返りもあるし、若い女性に、簡単に触れることは出来ないよ、今回は役得というところかなと混ぜ返される。

そんなことはない、こんなに親切にしてもらって本当にうれしい。あのまま、タクシーで大阪に帰っても叔父に連絡が付かなければ、マンションから出ることもできなかったし、何をするにもいちいち友達に電話で頼まなければできなかった、

今はみんな、就職や、引っ越しで忙しい時なので本当に助かっていると礼を言いながら風呂に入る。