暫くして桐村さんがお茶を入れて荷物と持ってあがってきてくれた、

そしてお茶をテーブルの上に置き、先にお茶を飲んでと勧められる、

沙羅は自分の下着の入った袋のことを思い出し、代金を支払うと伝えたが笑って、

「元気になったら、ね」と言われた。そして、お茶を飲んでしまうと

「足痛い?」と顔を覗き込む、

左足をかばって歩くので右足の方も突っ張っているような、痛いような変な感じになってしまって。

「桐村さんに八つ当たりする気なんかないのに、ごめんなさい」、と素直に謝った、

 「じゃ、少し足を揉んであげるから、横になって」と言われ、一度断ったが、蒲団の中に手を入れ、足を揉み始める、沙羅は最初足を引っこめようとしていたが、左足を取られて、脹脛に掌を当てやさしくさすられると、とても気持ちがいい。

次第に力が抜けていき黙って言われるままに体を横たえていた

両足を、丹念に時間をかけて揉んでくれる。暖房も効いて来てぽかぽかと体が温まってきた。

「沙羅、ベッドの上に乗るから布団をめくるよ」


と布団がよけられ、沙羅は毛布の中でうつぶせになって腰から背中にかけて揉んでもらっている、さらに、体を上向けにして横たえ膝小僧から太もも手の平まで丹念にマッサージをしてもらって、あまり気持ちよく沙羅はうつらうつらと、眠りこんだ。

徹は沙羅が眠りにつくとうつぶせの背中に丹念に指を這わせた、このまま放したくない。このまま同じベッドでこの腕に抱きしめて時を過ごすことが出来れば、と思いながら、名残惜しげに指を這わす、が、このままだと風邪をひいてしまう。

足が治って痛みが取れたら、大阪に帰ってしまう、

それを少しでも遅らせて、ここに置いておきたい。

沙羅の夢の中に愛撫しているこの指の感触がそのまま表れてくれるといいのだが。最後に、沙羅の頬にそっと口づけて布団を掛け少し休ませることにした。