魘されていたみたいだけど足が痛む?と足をさする、

先にお風呂に入って足を少しマッサージしよう、不自由な歩き方をしているので他の所が凝ってしまうから、僕は先にはいったから、そのままお風呂に入ることにして後で連れて上がるから、と促されてお風呂場に向かったが、着替えを取りに上がらなければならないと言うと、上に行ってから着替えればいいと、そのまま風呂に入ることにした。

さっき、徹が風呂に火をつけ、戻ってみると沙羅は軽い寝息を立てていた、しばらく、その寝顔を見ていたが起きそうにないので、先に風呂に入って出てきてもまだ起きない、

頬に手を当て唇に指を這わすと甘い疼きがおきる、沙羅の唇から吐息が漏れる唇を触れたくてたまらない。

顔を近づけると沙羅の息を呑む音が聞こえる、徹はハッと手を引いた。じーっとみていると沙羅がじれったそうに身を捩るので沙羅、沙羅、と声をかけると、夢見心地で目覚めたようだ。

風呂場に向かう足が痛そうだ、後で少しマッサージをしてあげたほうが良いだろう、洗いたての浴衣を出しながら、何か沙羅に羽織れるものが、欲しいが、明日病院からの帰りに何か調達する必要がある、まさかおれのパジャマを着てというわけにはいかないだろう。

沙羅はお風呂で髪を洗うのに寒いのでどうしても湯船に浸かりたかったので曲芸をしているようだった、

片足を湯船の淵に掛け、両腕で体を支えて、たぶん後、2,3日の我慢だとは思うが、これでは、福知山の家に一人で行くのはやはり難しい、桐村さんの言うことを聞いて世話になることにしてよかった、

でもさっきの夢、妙にリアル、気になって目を合わすことが出来なかった。