30分位走ったのだろうか、本線から外れて由良川沿いを走っている、

そして、川からそれて林の中の小道をしばらく走ると横を小川が流れていてその流れの途中で広い敷地内に入っていくと二階建てのきれいな建物が見えてきた。

家の前を雑木林が覆い、庭にはいると左手にガレージらしきシャッターが見え右手に張り出した母屋が見える、なかほどの玄関の前で車を止めると玄関を開け年配の女性が出てきて荷物を受け取り運びこみ沙羅に手を貸して車から降ろしてくれた、

手伝いの静さんだと教えてくれた。玄関のたたきの前で待っていると、桐村さんが戻ってきて沙羅のスニーカーを脱いでくれたがくじいてしまった左足はパンパンにはれ上がっている。

抱き上げるとそのままソファーのところに連れて行っておろし、 横にして足をあげてもらうと、少し楽になる。

横になってとクッションを背中に当て足に手を添えてソファーの上に持ち上げ体をずらして、静さんが持って来てくれた毛布で体を包んでくれた、痛みが少し治まったような気がする、先ほどの痛み止めの注射のおかげかもしれないが、とりあえず体を横たえることができるのはとてもうれしい。

何度も携帯を覗いてはいるのだが叔父からの電話はかかってこない。

しばらくするとお茶とクッキーを持って現れる、ちょっと足を上げたままではつらいと思うが熱いお茶を飲んでみて少し落ち着くからと、トレイを差し出す。