北風空を見上げては

晴れ渡る

青き空のただなかに

ぽっかり浮かぶ白い雲


次にかの雲預けしは

暫しの別れの時なるを

思いて急ぎ戻るなり

これ程深き雪にて有れば


活ける物全てに辛すぎる

一旦我が身を引かねばならじ

幸いこの雪野原

去りし夏の乾ききった

思いは無かりしとて


風の気配に振り向きて

雲の子頬笑み

大きく風孕む

風の肩に掬われて


高き空の上より

眺めた風の活躍

嬉々として

語り思うなり


己が身動きて有れば

生きとし生けるもの全てに

何らかの力及ぼす身で有れば 

無駄に動かじ


時をわきまえ

場所をわきまえ

地を覆うもの

全ての御為

思いて動く


尚 命奪わねばならぬなら

たれの為か?

悟りし時 己が為にでは

無いと思い 尚

物の命生かすためのみ


我が自然の領域とわきまえ

躊躇なく

神剣振るうものと心得る

さればとて心に

愛おしき者抱えて有れば


無駄に散る事

無きと心得

我が身を捨てるも

また 良しとする


北風のマントに包まれ

さて 何処の空にて

呼ぶのであろうか

我が行く道

風のみが知ろう


うっ! 何処より 春の香り漂いて

暫しこの地を去るらしい!


完  沙羅より


PS

お早うございます

沙羅のつた無き夢にお付き合いを頂き

ありがとうございます。

また いずれかの夢の中

忍び訪れたく

その際には笑ってお許し頂けますよう

読んで下さってありがとうございました。