北風曰く

今暫し この空にて

夕暮れまで遊ぶとしようか?

先行くか?


我急ぐ旅「にあらず

北風暫し 遊ぶと言う

風の背に乗り

渡りてあれば

意のままゆるり

駆けるとする


北風答えて駆けるなり

買い物自転車後押し

スイスイと

店の暖簾に

頑張れの風


ウナギがくねる様

蛇が集う様

街中ビルの谷間を渡りゆく

空の光が

そろそろと地上のものに御休みの

時を静かに告げるなり


赤き夕陽の光増し

コートの襟立て

人々も家路をめがけ

急ぎ足

やがて家々火「を灯し


北風渡る夜の街

明かり一つずつ

消えて行き

風も静かに通り過ぐ


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