劇場に行けないのでせっせと本を読んでいます。

そのうちの一冊。

 

本屋大賞を先般受賞された凪良ゆうさんの受賞後最新作ということで読んでみました。

 

まもなく地球が滅亡すると分かってからどう生きるかのお話とざっくりしたところだけ既存知識として読み始め。

 

文章力は高い作家さんです。

 

個人的には1章から2章に切り替わるところの鮮やかさというかスパーンとした感じは鮮烈だった。

上手いなあと。

 

ただ、どこかで聞いたような話がつなぎ合わされた感はずーっとあり、楽しい話っすか?と問われたら否としか言いようがなく。

今の世の中がこんな感じなんで、シビアに生きるという根本を見つめ直すという意味ではこういう本をこのタイミングで読んでみるというのはありなんだろうなあと思うのですが、個人的にはしんどかった。

現実がしんどいから本の中までしんどくなりたくない(じゃあ地球が滅亡するような設定の本読むなよってことですけれど)。

 

4人の物語+番外小冊子でプラスワンの形をとっており、この番外小冊子が初回限定版にのみついてくるという、売らんがためのやり方なわけです。

今はとにかく本が売れないと言うことで、初動で数を動かさないといけないのはよーく分かります。

ただ、この小冊子も含めての大きな1つの物語だと思うので、初回版を手に入れ損ねたらこの小冊子が読めない読者が生まれるということでそれはどうなんだろうなあとやるせない気持ちになります。

 

この作家さんの他の作品、「神様のビオトープ」や「わたしの美しい庭」も先に読んでるんですが(本屋大賞とった本は明らかに話が私に合わなさそうだったので回避)、文章力は高い、読ませる力もある、読んで思うこともある、あえて誤解させる書き方をするところがズルイwwとおもしろく思うところもありましたけど。ただ私にとってはずっと手元において何度も読み返したいタイプのお話ではなかったです。次回新作が出たら粗筋見て考えよう。