舞台の予習本です。


シンベリンが蜷川さんの演出で上演されること、そしてそれに浦井くんが出演することを知った段階で私が思ったこと。


「シンベリン」って何?


人の名前っぽいけど、こんなタイトル聞いたこと無いし。

私の教養が足らんのか、物語がメジャーではないのか。


とりあえず本を読んでみようかと思い調べたら白水社から新書(?)がでてる模様。

しかしその画像をみて思ったコト。


表紙がダサイ・・・・


いえ、本を表紙で選んではいけない、それは分かっております。

しかし、ついつい同じタイトルの本があると表紙が好みの方を買ってしまう私(その時点で本読みとしてのスタンスが間違ってはいると思います)。


しかも発行が1983年・・・・・。古い・・・・。

活字も古いのではなかろうか・・・。

(昔読んでいるときはあまり感じなかったのですが、昔の活字はカクカクしていて今の柔らかい活字になれていると非常に読みにくいのです)


上演までまだだいぶあるし・・・でも早く買わないとこんなマイナーそうな本、在庫切れになるんじゃなかろうか・・・そんな迷いの中をいったりきたりしている間に出ました、ちくま文庫。


こっちの表紙が素敵かと言われたらまあ別に取り立てて素敵っっってことはありませんが、少なくとも活字は今の柔らかい活字のはず、しかも新訳でどうも今回上演される舞台もこの訳に基づいての上演らしい。

待ってて良かった私。

早速ネット注文(絶対近くの本屋で探したっておいてないから取り寄せになるのは分かっているので、ポイント貯まっているサイトで注文、2日後に到着)。

しかし。全額ポイント使用したので懐は痛んでないのですが945円って凄い値段だな・・・文庫だよ・・・。


ホントなら辞書片手に原書でも読むのがいいのでしょうが、そんな根気は既にないので、こちらの訳本をいそいそと読み始めました。


ざざっとしたあらすじは舞台のチラシかなにかで掴んでおりましたが、既にキャストさんも決まっているので、頭の中でキャストさんが動いて話してくれるのですごく楽に読めました。


ブリテンのシンベリン王にはイノジェン姫がいて、王は後妻に迎えた王妃の連れ子で粗野で馬鹿なクロートンとイノジェン姫を結婚させようと思っていた。

ところがイノジェン姫は身分は低いが人柄も能力も申し分ない紳士ポステュマスと王の了解を取らずに結婚、王の逆鱗に触れたポステュマスは追放される。

ポステュマスは友人のところに身を寄せるがそこで知り合った人物ヤーキモーに挑発されて賭をする。

イノジェンの貞操が賭の対象。

ヤーキモーはイノジェンを誘惑するが、高潔なイノジェンは当然それをはねつける。

しかしヤーキモーは計略をめぐらし、イノジェンの寝所にしのびこみ、彼女の体を盗み見て彼女の体の特徴を覚え、そしてブレスレットを盗み出し、ポステュマスのところに戻る。

ヤーキモーはイノジェンと寝たと嘘を述べ、ポステュマスはその偽の証拠に騙され、嫉妬に狂い、妻を憎み、姫の元に残してきた自分の従者に姫を殺せと命じる。

姫は従者宛の手紙にそのようなコトが書かれているとも知らず、会いたいというポステュマスからの手紙に喜び勇み、城を抜け出したが、その旅先で従者より夫の疑いを聞かされ絶望する。従者は姫を殺さず、殺したとポステュマスに嘘の手紙を送り、姫は少年に扮し、ポステュマスの様子を見に行こうとするのだが・・・・ というのが大体の流れ。

正直舞台の広告段階でラブロマンスで大団円に終わる、とうたわれているので全部書いちゃってもいいような気はしますが。(正直これだけだと浦井くん演じる王子が上記あらすじにでてきてないことに今更気づく私)


先にキャストさんを知っておくと観るときに違和感なく観られるのでそれもいいですね。

ストレートプレイはややもすれば眠くなりがちなのと、四季以外の舞台は台詞がききとりづらいこともあり。

事前にざざっとでも訳本に触れておくと、脳が聞こえなかった部分をちゃんとフォローしてくれるので物語に集中出来ますよね。

シェイクスピア独特のもってまわったいいまわしなども楽しめるかどうかですよね。

注釈もざざっと読んだだけなのでもうちょっと詳しく読まないと。


ただ困ったのは、昨日から?阿部さんのテルマエ・ロマエ(でしたっけ?古代ローマと現代を設計オタクのローマ人が行き来する話)が公開されているようで、その宣伝のVTRがやたらめったらテレビで流れているので頭の中の阿部さんが時々半裸になりかける(笑)。

そのイメージを追い払いつつ読了。


浦井くんの出番が少ない、との話でしたが、確かにめっちゃ多いとは言いませんけれども、台詞の数は結構ちゃんとあるし、なにより、品格があって、心優しく勇敢な人物。

へたれのアルフでも、おまえは本当に人間か?というアービターでもなく、ちゃんと人間で(!)完全二の線の浦井くんが豪華キャストとともに観られるのですから舞台そのものがとても楽しみになりました。



全体的にざざっと読み流しただけ、という感じなので、舞台を観るまでにあと2~3回通読すればもうちょっとちゃんと言葉が入ってくるかな~と思ってます。