書店で一番目立つ場所にコメントカード付。

そんな売り方に踊らされて買ってみました。


まったくお名前も存じない作家さんでした(失礼)。


本作で日本推理作家協会賞を受賞されたとのこと。

帯にも 某ランキングで1位になったとデカデカと1位の文字が躍り。


本屋で見かけた第一印象としては「薄っっっっ」

超薄くて524円+税。

高い・・・と最近思うことが多くなってきました。

短編4つでこのお値段はかなり高め。

カバーもものすごくなんの変哲もない・・・(失礼)


でもまあいいか。と思って買ってみました。

激混みの日の銀行の待ち時間が読書タイム。


率直な感想としては。

派手さはないのだけれども、読みやすくてよー出来ている(何様ごめん)。

主人公は4つに各1人。救急隊員・警察官・消防士・施設職員。

読みやすいのは解説に書かれている著者が「取材が嫌い」だからかもしれません。

世間にはやたらめったら説明くさい小説というのがあります。

原稿枚数稼ごうとしているのか、それとも、物語に厚みを持たせようとしているのか分かりませんが、この物語読むのにそこまでの専門知識の羅列や、風景描写の羅列いるか?と思うような小説が結構あって。

その専門知識や風景描写があとでぴりっと効いてくるときは、おおおお~あの中にもうまーくヒントを織り交ぜていたのだねと感心するのですが、ただ単に「かっこよさげ」にしたくて書きましたか・・・ということも。

本作ではそういう無駄な飾りと言いますかそういうものが無いのです。


読むのは読んだけど、このブログの読書メモには載せていないものも含めて(あまりにしょーもなくて記録に載せるのもしんどいのに結構あたってます)、最近結構タネが途中で割れてしまう本が多く。

私はそんなに注意力も高くなければ、センスもよかーないのに、あ、これ伏線ですよね、しかもこれこういう意味ですよね、と感じて、最後まで読んだら全くその通りでしらけたというのを3冊続けてやりまして。


それに対してこちらの本は、なるほどね~と思わせていただきました。

4つのうちの1つはちょっと途中でネタバレしてしまいましたが、他の3つは最後まで完全に楽しめました。


楽しい話ではないのです。

人の暗い部分や悲しい部分も書いているので。

ただ、この方の視点、おもしろいと思ったのでまた機会があれば別の作品も読んでみたいかな~と思いました。

そんなに多作ではなさそうなのがちと残念ですが。