京都行きの日は読書時間確保といういつものパターン。

行き帰りとも電車で座れなかったので、荷物で腕がプルプルしつつも読みたいという欲望に勝てず。


親から譲り受けた道場で、ボランティア程度に近隣の子供達に剣道を教えつつ、会社に勤務していた清田清一、愛称キヨさん60才。

時代の流れからか道場の教え子はゼロになり、会社も定年退職。

まだまだ体も頭も元気なのに世間からは「おじいちゃん」扱い。

子供も甘ったれ、孫もかわいげのかけらもありゃしない。

おもしろくなーーーーーーい。


昔からの仲良しの柔道の達人シゲさん、頭がめっぽうキレるノリさんの3人のおっさんが、俺たちもまだまだやれるんだぜいというところを自己確認すべく、こっそりと自警団を結成。


この3人のひそやかな活動にキヨさんのくそ生意気な孫とノリさんの愛娘がどう絡んでくるのか、乞うご期待!!


って感じでしょうか。


正直なところ、このタイトルで無名の作家さんだったらスルーしてたかもしれません。

というより普段の私の好みから言えば装丁も範囲外なので絶対スルーだ。


しかしそこは「有川浩」。


速攻レジに持参。

そして裏切られない期待。


冒頭はなかなかキヨさんにつらい流れなのですよね。

電車の中でちょっとナーバスになりましたわ。

しかし。

その後の展開はもう。

やっぱり本は楽しく読みたい。

収まるべきところにコトが収まっていくのは楽しい。


続編があるのですね。

これは期待大だ。

一応主人公の3匹のおっさん以外の周辺人物の今後もとてもとても気になります。


頭の中でこれを誰かにあてはめて動かしたらどうなるかと考えて個人的にはキヨさんは「緒形拳」さんだなあと。一本筋が通ってて、背筋がぴしっと伸びていて、きちんと着る物着せたら女子高生早苗ちゃんにカッコイイと言われる存在なのだから。

装丁の絵と緒方さんはかけ離れてますよ、はい(笑)。

でもなんとなくぱしっとはまってしまいました私の頭の中で。

とっても素敵な話だからドラマ化してもいいのが出来るだろうなあと思うのですが、私の中で緒形拳さんがはまってしまった以上、どうドラマ化しても100点にならないのがつらいところ。


でもこの本はとってもお薦めです。