著者のことは全く知らず、本屋で平積みされていた表紙がキレイだったから手に取った、そんな安易な出会いで。
ストーリーは
死期の近い患者の間でどんな願いでもひとつかなえてくれる仕事人の噂が流れる。
病院で清掃のアルバイトをする大学生の「僕」の目を通じて見えてくるさまざまな人生・・・
という感じ。
裏表紙に
「静かに胸を打つ物語」とあったのでハートフルなものだと思って手にとって。
全部で連作の4つのストーリーから構成されているのですが、最初2つはなかなかにヘビーで。
なかなか「静かに胸をノック」してはくれないなあ・・・と思いつつ読み進めて、結果的に期待したノックのされかたではありませんでした。確実にノックはしてくれましたが。
過去に肉親を病気で亡くしている人が読むとあの病院の独特の空気感とかが肌で思い出されるのと、最終章で扱われているテーマについてもいろいろ考えるのではないかなと思います。
初版が2005年と少し前の本であることに少しびっくり。
いかに狭い範囲しか読んでないかがよく分かる(苦笑)。
物語は非常にテンポよく読めますがやはり死にまつわる話だけに明るく楽しく読めるわけではないので、心が弱っている時にはあまりお勧めではないかなとか。
ですが、非常に考えさせられる言葉がちりばめられていて、読んでよかったと思います。
また別の作品を是非読んでみたいと思いました。