アニメーター大橋学という人を知ったのはタイガーマスク(こどもの日のイベントかどっちか忘れてしまったが)のトークイベントにてゲストとして参加されたときだった。

知り合いの方にこのイベントを教えて頂き、1人で飛び入り参加。昔からアニメーションが好きな私ではあるけれど、トークイベント自体初めてで、ロフトの異様な地場と年齢層の高い客に少し戸惑いながら、席についた。

(タイガーマスクが初めてのロフトだったけど、マオさんを初めて見たのはこの日だったか、それとも、こどもの日のトークライブだったか記憶が曖昧。タイガーマスクのゲストに大塚さんはいた記憶。)

雲と少年がスクリーンに映される。
「私が作りたいものに近い」
そう感じた。

私は当時、絵本を描いていた。絵本の魅せ方として大橋さんの雲と少年はその時の私が望んでいたものだった。絵が少しも、かしこまったりせず自由で、だからといって意味の分からないものでは全くなく、柔らかで激しく生き物のように在る。

そのイベント終了後のTwitterで私は大橋さんの絵本が一番印象に残ったと書いたことを最近思い出した。

その後、大橋さんはTwitterで私のことを知らないはずなのになぜかフォローしてくださり(笑)(そこの出会い方は未だによくわからない)私は雲と少年欲しさにコミティアに会いに行き、マオさんは私の個展に来てくれたりした。


最初に話をした屋根裏部屋での個展でのこと。





展示後ギャラリーを出て私が行きつけの下北沢のBAR RINNEにマオさんと行った。





カウンターに横に並んで座ると、互いの沈黙が互いの酸素のようだと感じた。

たとえばマオさんが椅子に座ると【ちょこん】と音をつけたくなるような佇まいで、愛らしさと生命力のある人だと伝わってくる。私もどちらかというと静止した時にこそ音がなる人間なので、互いの止まっていることが息をするようにぴったりとくる。おしゃべりしなくても心穏やかでいられることはとてもしあわせだ。


私はアニメーターではなく、ひよっ子絵描きで、マオさんは師匠でもないし、お父さんでも、先輩でもない。ともだち。。。というか、なんだか【体の何処か一部分が同じ色で染められたような人】だと感じた。同じ色の部分がある。


そんな同じ色の部分をしたマオさんとおえかきしんぷるてんをした。


相手の立場や自分との技術の差を考えれば一般的には、できるはずのないことだ。でもただ、同じ色の部分の人と何かを作るのは自然なことだとも思う。

私は水道橋博士が言っていた【出会いに照れるな】をいつも胸に刻む。尊重を大袈裟に捉えずあまり考えないようにしている。


私はおえかきしんぷるてんの展示を企画をしましたが、私の発想、この展示を引き受けてくれたマオさんの心の大きさが全てです。


大きな心のマオさんと、ミジンコのように小さな私がどのようにして展示をしたかはまた次お話します。



更紗