それはある夜の出来事。
帰ってきたら、リビングの様子が何かいつもと違う。
なんだろなー…わかんないけどなんか違うなぁ…
そう思いつつ、コタツに入る。
やっぱ何か違う。
…あっ、ない!
あれがないっ!!!
なんで?どこ行った?
そんなちょっとしたトコに隠れちゃうようなものじゃない!
間違えて捨てちゃったりする大きさじゃない!!
ん?昨日はあった?
んー、よく覚えてないけど、一昨日は確実にあったはず!!
一昨日あたしはあれに座ったんだから!
じゃあ絶対あるっしょ!!
自分の部屋を見に行くが…ないっ!
ありえないのに、まさかね…とか思いつつ、トイレもお風呂もダイニングテーブルの下もぜーんぶ見た!!
ないっ!!!
なんで?おかしい!コワイ!!
あんな大きいもの!!!
朝まで探したけど見つからず…。
少しだけ寝て出勤時間。
次の日の夜も、ひたすら捜索…。
常に物は定位置に置いているし、散らかってるのがダメなタイプだから、何かに埋もれてるはずもない…。
やっぱりないっ!
どっこにもないっ!!
…あ…え?
もしかして、誰かこの部屋に侵入したんじゃ…
あ…そうだよ…どうしよう…
ここは一応母親達の家…
母親達の荷物もいっぱいある…
誰か侵入してたらそれもいつか盗まれてしまう…
そう考えたあたしは
遠く離れた離島で暮らす母に電話をした。
『ねー、この家にね、誰か侵入してるかもしれないの…』
『は?なんかあったの?』
『あたしのさー、リビングに置いてあった椅子覚えてる?きのこの…青い…ちっちゃい…』
『うん、あったね!』
『あれがね、ないの…。家中探しまわってもないの…。ちっちゃいとは言え、どっかに隠れちゃうサイズじゃないじゃん。間違って捨てるわけもないし…。全部見たの。あんな大きさで無くなるわけないの。』
『うん。え?だからなに?』
『だから誰かが侵入してるかもしれないってことだよ!お母さん達の大事なものももしかしたら無くなってるかもしれない…。ごめんね…。毎日ちゃんと鍵閉めて出てるんだけど…』
『え?あんた大丈夫?その椅子そんな大事だったの?』
『別にそんな大事じゃないけど、犯人にとってはきっと魅力的な椅子に見えたんでしょ…。ねー、ほんとどうしよう…』
『ww。ねー、本気で言ってるの?こっちがどうしよう…なんだけどww誰が好き好んでそんな椅子盗むの?え?ほんと大丈夫?ww』
と笑われる。
こっちは真剣に焦っているのに。
『まぁー、大丈夫ww絶対出てくるから!絶対家の中にあるから!そーゆーのはふとした時にひょいっと出てくるんだよ!だーれもその家には侵入してませんっ!』
『ほんとに家中全部見たんだよ?ひょいって出てくるサイズじゃないじゃん!たまたま今回は家にいない時だったから良かったけど、家にいる時に入ってこられたら…ねーほんとどゔじよゔーー!!』
と半泣き。
『ねー、もういい?
出てくるから!大丈夫だから!家にあるから!!』
ちょっと母ちゃん呆れ気味…
『わかった…。そうだね…もう少し探してみる…』
『探さなくていいから!忘れなさい!そのうち出てくるから!いい?探さなくていいからね!』
『……はい…わかった…』
そんなやりとりをした数十分後、真夜中になる前に洗濯しよう!と思って、溢れそうな洗濯かごの中の服を洗濯機に入れていく…
ん?
あれ?
えーーーーー!!
なんでーーーーーー??
そこにはそいつがいたのです。
洋服達の一番下にこいつは埋もれていたのです。
確かに一昨日の夜洗濯したのに、洗濯かごがこんなに満タンになるわけもなく…。
一昨日、洗った洗濯物をリビング持ってきて乾かして、空になった洗濯かごの中に
椅子ーーー!!?
椅子が入ったの?
なんで?
でも間違いなくそうで、さらにその椅子の上に脱いだ服を入れてしまったということ?
ナゾナゾナゾ…
でもそーゆーこと。
急いで、心配してるはず?の母に電話。
『あったよ!なんか全っ然記憶にないけど、なぜか洗濯かごの一番下に入ってた。良かった!だから誰も侵入してないよ!お母さん達の物も盗まれてないよ!心配かけてごめんね…』
『wwwww!!!
まったく心配してないから!!
人ってね、まったく無意識のうちに不思議な行動してる時があるのよ!
まぁ、あったんだから良かったね。これで安心して眠れるね!
いやぁー、しっかしほんっとにあんたの日々はお祭り騒ぎで飽きないねーww』
って、めっちゃ天然なマミーにまでバカにされるあたし…。
これは去年の出来事ですが、二日に渡ってあたしを不安に陥れた、きのこ椅子盗難事件は無事解決しましたとさ

どうしてノー天気な両親からあたしが生まれたのか…
その謎だけは今もまだ解けないのです

あたしは人から見たら楽しい毎日を送っているようですよ

心配性もすぎるとほんとにウザイな…と、ちょっと反省しましたけどね
