愛おしい息子二人と分かたれる事になっても、
離婚に迷いはなかった、それが自然な事だと
感じてた。
4人部屋の4枚のカーテン。
そろそろ夕食が終わる頃のタイミング。
残像に十数年の歳月を加えたイメージの姿を、
僅かな隙間から探した。
違う。違う?違う。違う。 あれ?…もう一周。
悪液質。 記憶していた姿とは、まるきり
かけ離れた姿だった。
いきなり訪れた元妻、絶句してたよね

「いきなりでゴメン。ムスコから様子を訊いて、
何か手伝いたいと思って押しかけてきた」
幾度も頭の中でシュミレーションした台詞。
軽く微笑んで、だけど少し申し訳なさそうな雰囲気、
表情まで考えていたのに実際は、パジャマから覗く
枯れたような足先を目にし、泣かないように
我慢して声が上ずった。
初めは戸惑っていた様子だけれど、次第に
ほぐれて、会話の調子は少しよそよそしく、
けれど昔馴染みのフランクな感じに変化していった。
「全然頑張れると思うけど、ムスコだから気が回らないし、洗濯物交換だけでも任せてもらってサ、一日も早く回復するよう治療に専念してもらいたいと思って。迷惑じゃなければ。」
お見舞いの開始です。
