4月12日は守り人の活動日でした。

今年度の最初の活動日で、春の温かい日差しの降りそそぐ、青空の美しい1日でした。参加者は22名(見習い守り人1名、新日本カレンダー6名含む)。

 

 

はじめに、三田市 産業振興部 里山保全課の三谷課長と今年度から守り人の活動を担当するヤマモトさんの挨拶がありました。

 

 

年度初めは、恒例のミーティングで始まります。

 

 

一人ずつ、自己紹介をして、所属しているグループ、これまでの活動の感想、今年度やっていみたいことなどを話しました。

この活動開始当初からのメンバーは、整備してみたい場所があるとのこと。ぜひ、お願いします。

山登りや写真、植物や昆虫が好きな人がたくさんいます。

数名から、年々トンボの種類や数が減っている、と心配する声が聴かれました。

 

 

新人守り人さんも何か好きなことを見つけて観察してみたいとのこと。興味のあることを見つけると、ますます活動が楽しくなりますね。

 

 

ミーティングの次に、毎年実施しているため池の水生生物調査の結果報告が守り人のワタナベさんからありました。今年度やっていみたいハッチョウトンボのヤゴ調査などの提案もあり、発表の後は活発な質疑応答もありました。

ミーティングと報告会の後は、春の湿原周辺観察へ出かけましょう!

 

 

まずは、恒例になっている側溝の両生類の観察です。卵や幼生がいないかを探しましたが、見つかりませんでした。

この場所は、当初はアカガエルの卵塊やセトウチサンショウウオの幼生がたくさん見られましたが、側溝に勢いよく大量のため池の水を流すようになったからか、理由は分かりませんが、数年前からほとんどいなくなりました。それでも、もしかしたら…という想いがみんなにあり、毎年観察を続けています。

 

 

何もいないねぇ、と話しているところに、小さなカナヘビが現れました。見習い守り人で、本日から参加のババくんがサッと捕まえて見せてくれました。生きものとの出会いはやはり、楽しい!

 

 

それぞれ好きなテーマでため池の土手を観察しました。

昨年の4月は白い花が咲いていたウワミズザクラを見に行ってみると、

 

 

花はまだ咲いていなくて、グリーンのつぶつぶのつぼみが並んでいます。ブドウみたい。

白いブラシ状の特徴的な花が見られるのは、もう少し先ですね。

 

 

みなさん青空へ向かって登っていくようです。

 

 

観察路沿いは、いつもコバノミツバツツジが満開で、ピンクに染まっていますが、

 

 

今年は疎らに花が咲いている木が多いようです。

 

 

まもなく咲きそうなつぼみがいっぱいの木もあります。

 

 

「鳥の巣があるよ。」という声に、見上げて見ると…ありました!「カラスの巣かな?」

 

 

植物に詳しい守り人さんに見分け方を尋ねながら、樹木を観察していました。

 

 

こちらでは、ヒサカキの花は「雄花と雌花があるんですよ。」と教えてもらい、

 

 

「あ、これ雄花だ。」と、観察していました。

 

 

館のベンチの後ろに不思議なキノコが生えていることを、マルさんが教えてくれました。

テングノメシガイ(天狗の飯匙)というキノコのようです。飯匙はしゃもじのことで、長い柄の先は平たく、しゃもじのようにも見えます。

午前の活動はここまで。

 

 

午後の活動は自由参加です。

なにげにはじまった立ち話でしたが、だんだん熱を帯び、守り人の活動を長く継続していくために、こんなことが必要ではないか、という意見や提案が次々と出てきて、熱く話す守り人さんたち。

 

 

ショウジョウバカマの開花状況を観察に行ったみなさん。

 

 

気になっていた場所をチェックしたところ、いくつも花が咲いているのが見つかったそうです。

 

 

ここに咲いているショウジョウバカマは、オレンジ色と薄い黄色。

 

 

一見、枯葉色で何もなさそうな草地にも、

 

 

よくみると、あちらこちらにショウジョウバカマが咲いていました。

 

 

ベテラン守り人さんが見習い守り人さんに、ヤマドリゼンマイの生育地を案内していました。

 

 

ヤマドリゼンマイの新芽がたくさん出ていました。

ゼンマイという名前だけあって食べられるそうですが、あまり美味しくはないようです。兵庫県版レッドデータブックではCランクの希少な植物で、採取はできません。

 

 

ヤマドリゼンマイの傍にも淡いピンクのショウジョウバカマが咲いていました。

 

 

樹名板設置チームは、観察路沿いにある、できるだけ特徴が分かり易い木を選んで、樹名板を付けたり、付け替えたりしていました。

 

 

タカノツメは、樹皮が白っぽく、つぶつぶの皮目(ひもく)があり、ゾウの足みたいなシワ(横線)も特徴の一つで「この木は分かり易いね」とのことで、傍のフェンスに樹名板を付けていました。

 

 

湿生林では、以前に伐採したサクラバハンノキを玉切りしたものに、キノコの種駒を打ち込んでいました。

 

 

原木にドリルで穴を空けて、そこに種駒を木槌で打ち込みます。

 

 

原木は、みんなで運んで、

 

 

林内に並べました。

 

 

乾燥しないように、ヒサカキを被せて、

 

 

その上から、ため池の水を掛けて、原木の作業は完了。

本日の活動はここまでです。

 

 

ため池堰堤のコバノミツバツツジは満開でした。

 

守り人のみなさん、本日もお疲れ様でした!

来月は大学生さんたちが学習活動に来られますので、若い世代との交流も楽しみです。

ご参加お待ちしています!