12月16日は守り人の活動日でした。

朝から雨模様でしたが、少しパラついた程度で、活動には影響なく、師走にもかかわらず、暖かい一日でした。参加者は13名。

 

 

この日は、守り人活動のご指導等をいただいている兵庫県立人と自然の博物館の石田先生にお越しいただきました。

今年も湿原の管理状況などをご確認いただき、今後の整備についての方向性なども伺いました。

 

本日の活動は、J2の整備、多様性草原の刈り払い機を使用した全面刈り取り、樹名板の設置です。

 

 

J2の毎年両生類の産卵が確認されている水たまりは、落ち葉などが溜まって浅くなっていたので、泥をかき出して掘り下げました。

すると、昨日から雨が降っていたせいもあり、すぐに水が溜まりました。

 

 

さらに奥の集水域では、石田先生と守り人さんたちで、樹木の間伐と、残しておきたい樹木にマーキングしていました。完全に枯れてしまった危険木には、トラテープを巻きました。

 

 

多様性草原は、刈り払い機で全面を刈り取りしました。

この時期の刈取りは、草原生の植物がすでに種を落として、地上部は枯れているため、希少な植物を誤って刈取ってしまう心配がありません。

とは言っても、オミナエシなどのロゼットが残っている可能性があるため、地上10cmの高さできれいに刈り取りました。

春の芽吹きが楽しみです。

 

 

草の間には、カマキリの卵(卵嚢)が隠れていました。

 

 

木の枝には、アシナガバチの仲間の巣がありました。

茶色と黄色の2色になっていますね。調べてみると、 蛹室のフタが黄色くなるのは、キボシアシナガバチとヤマトアシナガバチの特徴のようです。

冬を迎えて、新しい女王蜂は越冬する場所を求めて旅立ち、働きバチたちは寿命を迎えるため、巣は空っぽになっています。ハチたちは、この同じ巣に戻ってくることはありませんが、毎年、この草原や周辺のどこかに営巣していますので、活動時には刺されないよう要注意です。

 

 

刈り取った草を集積場所へ運び出すと、広々とした草原になりました。

 

 

G湿原では、切り株の掘り起こしをしていましたが、根がしっかりと深く張っているので、なかなか手強そうです。

 

 

樹名板の設置チームは、作った樹名板を、観察路沿いを中心に設置し終わっていました。

G湿原の草本の樹名板は、とりあえず全部ロープに取り付けてぶら下げていました。しかし、「これはちょっと不細工だから、どうするかまた考えよう。」とのこと。

午前の活動はここまで。

 

 

昼食後に、石田先生から保全活動の状況をご覧になった感想やアドバイスをいただきました。

いつも「来るたびに良くなっている」とおっしゃってくださるので、守り人さんのモチベーションもアップします。

 

 

午後の活動は、館前のアカマツ林の整備をしました。

この地域では、昔はマツタケがよく採れたそうなので、マツタケがまた採れるようなマツ林を目指したいという夢?もあります。

それはさて置き、まず50年くらい前に広がっていたと思われる、アカマツ純林の景観を目指します。

枯れたアカマツを放置すると、倒れたり枝が落ちたりしてとても危険なので、まず枯れ木から伐ります。

 

 

斜面なので、十分安全にも気を付けながら、ロープを掛けて、

 

 

樹高以上の長さのロープで、倒れてほしい方向に引っ張ります。

 

 

伐り倒した木は、枝を払い、玉切りにして、集積場所に運びました。

 

 

すいぶんスッキリしましたが、たくさん枯れた木がありますので、まだまだ整備は続きます。

 

守り人のみなさま、今年一年お疲れ様でした。

新しい年も、引き続き楽しみながら活動していきましょう。

次回、1月も真冬の湿原でご参加お待ちしております!