8月11日は守り人の活動日でした。

連日の猛暑で、朝からの危険な暑さにもかかわらず、参加者は、ほぼいつも通りの15名(見習い守り人2名含む)。

 

 

この日は早朝より、地域のみなさん(農会の方々など)が、テクノパークから入口までの道沿いの草刈りをしてくださいました。

暑い中、ありがとうございました!!

この後は、また畑作業などをされるそうで、「暑いからと言って休んでいる暇はないよ。」とのことでした。さすが、いつもお元気な方々は暑さに負けていないですね。とはいえ、くれぐれも、暑さにはご注意ください。

 

 

本日の守り人の活動は、恒例のサギソウの開花調査です!

A湿原は、ロープを張ってエリア分けして数えますので、よろしくお願いします。

 

 

小屋の中の道具を入れていた布製バケツを覗くと…、おや?これは。三角形の頭部からみると、マムシの抜け殻のようです。

て、ことはどこかにこの抜け殻の主が潜んでいるかもしれません。道具を取り出すときなど、狭いところに手を突っ込むときは、噛まれないよう、お気を付けください。

 

 

道中のJ湿原もチェック。

ここにはサギソウは咲いていませんが、タチカモメヅルが咲いていました。タチカモメヅルは開花期間が長いので、まだしばらく観察できます。

 

 

湿生林の前のため池は水が減っていて、水辺の植物に近づき易くなっています。サギソウ調査へ行く前に、植物好き女子が観察をしていました。

 

 

先月のフェンス沿いの草刈りの続きをしていたのはヒノさん。

タムシバの実生がチラホラ生えてきており、巧みにかわしたり、かわしきれずに刈ってしまったり...

 

 

A湿原では、サギソウ開花調査のために湿原を6つのエリアに分けるロープが張られて、カウントが始まっていました。

 


 

エリア分けロープを掛ける木には、来年のため、目印にオレンジテープを付けました。

 

 

去年に比べて、サギソウの数は少ないね。

 

 

カキランはすでに咲き終わっていますが、今年はたくさん咲いていました。

 

 

ミズギボウシが1輪咲いていました。

 

 

今年のサギソウは、昨年の半分以下じゃないかな、とマルさん。

お手製の画板を首から下げて、数えたエリアごとの開花数を記録していました。準備がいいですね!

 

 

コマツカサススキなどの背の高い草が、例年より密に生えているようです。

 

 

サギソウが減っていたとしても、当初と比べるとずいぶん増えました。

年によって、開花ピークが異なるので、調査日によって多少の増減があるのは仕方ありません。

湿原内の中央付近は、いつもより地面の乾燥が目立っています。

花が少ないのは、梅雨以降の雨量が少ないことも関係しているかもしれません。

 

 

次はB湿原へ移動。

ため池は水量が減って小さくなっていました。

 

 

昨年は遠くから見ても一面に白い花が咲いているのが分かるほどでしたが、今年は疎らです。

 

 

湿原内も乾燥気味です。

結局、B湿原のサギソウも昨年の半数程度でした。

 

 

何か白い花が咲いている、と聞いて見に行くと、いつものため池の縁にアギナシが咲いていました。

この花は、茎の上方にある雄花です。

 

 

下方に雌花があるというので見てみると、白い3枚の花弁は散っていました。この丸いのは果実が球状に集合したものだそうです。

 

 

草の間から背伸びするように、とても背の高いサワギキョウが咲いていました。

 

 

G湿原へ移動してサギソウ開花調査です。

ここも乾燥気味でした。

 

 

サギソウはぽつぽつと咲いています。

数えてみると、昨年よりやや少なめで、極端に減ってはいませんでした。

 

 

白い花を見つけて近づくと、サワシロギクでした。

 

 

3つの湿原のサギソウ開花調査は終了。

次は、ヒナノシャクジョウとホンゴウソウを観察に行きましょう。

 

 

ヤマドリゼンマイの前の斜面にホンゴウソウがいないか確認したあとは、もっと奥へ。

 

 

今年のヒナノシャクジョウは数が多くて、観察路の真ん中にもたくさん生えているよ、と聞いていましたが、本当にいっぱい出ています!

 

 

マーキングするために、赤のマーカーで色付けした割箸を用意してきました。

 

 

一番奥から、みんなで並んで歩いて、ヒナノシャクジョウを見つけたら、まず目印の割箸を差して、数を数えて報告すると、ヤマムラさんがカウンターでカチカチと足していってくれます。

 

 

いつもコンペイトウに例えますが、小さな星のようで、本当に可愛い姿です。用意した割箸を全部使っても足りないくらいのヒナノシャクジョウが確認できました。

もちろん、ヒナノシャクジョウの近くにはホンゴウソウもたくさん確認できました。

 

 

本日の午前の活動はここまで。

 

 

カザグルマの果実は、ふさふさの冠毛状になっていました。

 

 

先月のササ刈りの残りの、フェンス沿いは、ほぼ刈り取りが終わっていました。

 

 

フェンス入口付近に、ヤマボウシの実が落ちていました。

真っ赤ではないけれど、食べてみると、ほんのり甘くて美味しい!

 

 

観察路沿いの、以前クチベニタケを見つけた場所をチェックしていたら、黄色とオレンジ色のカラフルなキノコを見つけました。

いつも朝一番にやって来られて、みんなが来る前に、周辺のキノコ探しをしているマルさんの目には留まらなかったようです。

これは何というキノコでしょうか?

 

 

午後の活動は自由参加です。

この日は、館前の枯れたマツを、何本かノコギリで伐って片付けました。

 

 

慣れた手つきであっという間に枝が払われていきます。

 

 

枝が払われた細い丸太は、適当な長さに切って、集積場所へ運べば作業完了。みんなで作業すれば、あっという間に片付きました。

 

 

今朝、ワタナベさんが、駐車場から来る途中の道で拾ったという、マムシの死骸を見せてもらいました。小さいので子どものマムシのようです。

草刈り機にぶつかったのか、何かの事故に遭ったようですが、外傷は見当たらず、生きているみたいです。

さすがに、みんなから、「え~、このヘビを持って帰るの?!」と驚きの声が上がりました。

持ち帰るには、ちゃんと理由があって、野外活動する高校生たちに、危険な生きものを紹介するためだそうです。

スズメバチとマダニの標本はすでにあるので、このマムシで危険な生きもの3つが揃うというのです。

イラストや写真ではなく、本物を見てもらうのっていいですね!

 

 

誰かが、エビフライをみつけてきました。

リスやムササビがアカマツの松ぼっくりを食べた残りです。(昨年の秋のもの?)

「食べ方が雑に見えるからムササビかもしれないよ。」とコンドウさん。

館前では、ノウサギの糞をよく見かけますが、他の動物もいるのですね。

 

守り人のみなさん、本日もお疲れ様でした!

来月は、少しだけ暑さもやわらいでいるはずです。

次回も、ちょっぴり秋の気配が漂う湿原で、お待ちしております!