5月13日は守り人の活動日でした。

朝から雨の予報でしたが、午前中はときどき日の差す曇り空で、午後は14時頃から雨が降り始めましたが、予定していた活動がほぼできました。

参加者は、守り人14名、関西学院大学22名。

 

 

本日は、兵庫県立人と自然の博物館の石田先生にお越しいただきました。

お久しぶりに来られた守り人さんが多くて、お元気な顔が揃って嬉しい始まりです。

新しく導入した真っ赤なチッパーに興味しんしんですが、本日は予定がぎっしりで、チッパーを試す時間はなさそうです。

 

 

先月に引き続き、関西学院大学の学生さんが参加されました。

前回は終日雨でしたが、2回シリーズで両日雨だと残念すぎるので、今日は何とか天気がもちそうで、ほっとしました。

湿原の自然を、できるだけ五感で楽しんでもらいたいものです。

北摂里山博物館運営協議会事務局長の大嶋様もゲストで参加されて、関学の学生さんへ北摂里山大学受講生募集のピーアールなどされました。学生さんの受講者が増えるといいですね。

 

 

三田市のオカノさんより、守り人企業会員の新日本カレンダーさんから、2023年の「守り人カレンダー」が届きました!というお知らせがありました。

 

 

今年は、4月から来年の6月までのカレンダーで、月ごとに皿池湿原の生き物の写真が掲載されています。

新日本カレンダーさん、いつもありがとうございます!

 

 

関西学院大学の藤先生とご挨拶もして、さて、いよいよ石田先生との湿原の観察へ出発です。

石田先生と一緒に、学生さんも湿原やその周辺を観察します。守り人さんと同様に、観察路のササ類もチョキチョキ切りながら歩いてもらいます。

 

 

G湿原の観察路のロープ張りをしますので、守り人のみなさんは、杭を持って行ってくださいね。

やや重い杭ですが、「大丈夫、軽いよ!」とみなさん。

 

 

石田先生の解説に、学生さんはメモを取ったり写真や動画を撮ったり。

 

 

ちょうどカザグルマが満開でした。

 

 

いいタイミングでしたね。

 

 

長い観察隊の行列が続きます。

 

 

ため池越しに眺める湿原も美しいですよ。

 

 

これは何の幼虫ですか?と学生さん。

ガの幼虫のようですが、種名は、Googleレンズに尋ねてみてください~。検索するとタケカレハのようですね、毛などに毒があるそうです。

 

 

B湿原は今は何もないように見えますが、8月になると、サギソウがたくさん咲くんですよ、と石田先生。

ここは、イノシシが侵入して掘り返すので、防除柵をしています。

 

 

ヤマウルシが生えていたのを見つけて、石田先生から、知っておきたい要注意の植物として、説明がありました。「うっかり葉をちぎったり枝を切るなどして、樹液に触るとかぶれます。漆塗りのウルシはまた別の種類で、ヤマウルシから漆はとれません。」みなさん、スマホにメモメモ。

 

 

観察路の端にオオバノトンボソウが生えているのを発見!とても力強い感じで立派ですね~、花が咲くのが楽しみです。と思ったのも束の間、大行列が通り過ぎた後に、守り人さんが観たところ、誰かに蹴飛ばされて、ポキっと折れて踏みつけられていたそうです。

しまった!ちゃんと注意喚起が必要でした。

オオバノトンボソウさん、ごめんなさい。

でも、ご心配なく。守り人の活動で里山林の手入れをし始めてから、明るくなった林内に、ときどき生育しているのを見かけるようになりました。

いい環境を保てば、また出てきてくれます。

 

 

G湿原の成り立ちと特徴を解説する石田先生。

早くもハッチョウトンボが飛んでいて、みなさんに見てもらうことができました。(残念ながら、ハッチョウトンボの写真ピンボケでした。みなさんはうまく撮れたでしょうか。)

 

 

植物のあまり生えていないロープ内へ注意しながら入って、間近で観察しました。

 

 

モウセンゴケの粘液って、本当にネバネバしているのかな?

ネバネバが指に着いたら、指が溶けちゃう?

こわ~い

 

 

大丈夫ですよ。
そっと触ってみましょう。

 

 

守り人さんも年に一度くらいしか訪れない、奥の湿原へ行きました。

どこもオオミズゴケが美しく広がっています。

 

 

太古の森のようなヤマドリゼンマイの林も抜けて。

 

 

学生さんたちが通る傍には、ショウジョウバカマが集まって生えていました。

 

 

観察隊に参加した守り人さん以外の、守り人さんたちは何をしていたのかというと、セトウチサンショウウオの観察をしていました。

 

 

先月は卵嚢を観察しましたが、孵化しているはずなので、幼生を探しています。

 

 

いましたね~、元気に育ってほしいですね!

 

 

学生さんたちが、最後に訪れたのは、A湿原です。

 

 

間近で観察します。

小さな川に石が置いてあるのは、なぜだか分かりますか?と質問する石田先生。(答えは、これまでのブログに書いてあります。)

 

 

ここのカザグルマもちょうど満開でした。

 

 

しっかり観察できましたでしょうか。

 

 

つぼみも可愛いですよ。

午前中の賑やかな湿原めぐりはここまで。

 

 

楽しいお昼タイム。

 

 

自然を味覚でも楽しんでもらうため、先月はクロモジ茶でしたが、今回はヒサカキ茶を味わってもらうことにしました。

クロモジは苦手な人もいましたが、ヒサカキ茶はどうでしょうか。

 

 

ヒサカキ茶のほうが飲みやすいようで、人気がありました。

 

 

守り人さんたちも、ホッと一息。

午後の活動は、G湿原で力仕事です。

雨が降り出さないうちに頑張って始めましょう。

 

 

G湿原で行う作業の一つは、守り人さんと学生さんが協力して観察路づくりをします。もう一つは、これまでに伐採した木をちょうどいい長さに揃えて切って、ヤマドリゼンマイの近くの橋づくりを行います。

 

 

なんだかとても楽しそう。

 

 

学生さんが、すばやく捕まえたカナヘビ。

カナヘビは、子どもたちの観察会でも人気者です。

 

 

藤先生が、早速、ノコギリで木を切っていました。

橋づくり用に長さを揃えるためです。

 

 

守り人さんに木を押さえてもらい、学生さんも切ります。

 

 

こちらは、石田先生に木を押さえてもらいながら、切っていました。

 

 

切り口がとても美しいです。

針葉樹の断面は綺麗ですよね、と石田先生。

 

 

観察路の中央に出っ張った木の根っこを掘りだすのに挑戦する学生さんも。この根っこは、なかなか手強くて、午後いっぱいかけても、掘り起こすことはできませんでした。頑張ってくれたのに、残念。

でも、それだけ、地中深くに広く根を張っているということですね。そんな木々があれば、土壌の流出が抑えられて災害の防止に繋がります。いま、このような自然のもつ力を用いた防災・減災が注目されていますが、身を持って学ぶことができたのではないでしょうか。

 

 

長さを揃えて切った木は、橋づくりの現場まで、重いものは6人一組で運びます。

 

 

途中、守り人さんの「前と後ろを交代しましょう!」という掛け声で、入れ替わっていました。

 

 

谷を渡って運びます。

 

 

軽いものは担いだり、2人で運んだり。

 

 

ぼろぼろに腐っていた橋が、みなさんのお陰でリニューアル。

渡りやすくなりました!

 

 

観察路のロープ張りも完成です。

 

 

広々して、観察し易くなりました。

ここに来られた方には、関学の学生さんにも活躍していただいたことを市の担当の方から、ぜひ伝えてもらいましょう。

 

 

使った道具はしっかり拭いてから返さなくてはいけないよ、と藤先生。

剪定ばさみを先生と一緒に手入れする学生さんたち。

関学のみなさんも、すっかり守り人の一員のようですね。

 

 

昨年見つかって、そのあと消えてしまったギンランらしき植物を、「また見つけてくださいね」と、ギンラン探しの名人、モリさんに頼んでおいたら、さっそく発見してくれました!今後がとても楽しみです!

 

本日参加されたみなさん、お疲れ様でした!!

 

石田先生、お忙しいなか、ありがとうございました。

守り人のみなさん、学生さんとの交流を楽しんで、いろいろな里山管理のワザも伝授していただき、ありがとうございました。

 

関西学院大学のみなさん、2回にわたる守り人の活動で、慣れないこともたくさん体験されましたね。里山を体感することで、SDGsWorkshopのヒントは得られましたでしょうか。

藤先生から、「来年もぜひお願いしたい。」とおっしゃっていただきました。

しんどいだけの2日間ではなかったのであれば、大変嬉しいことです。

もしも、学生さんのなかで、こういう活動はなんだか自分に合っているな、もっとやってみたいな、と思われた方は、守り人のメンバーに加わってみませんか。四季折々の湿原での活動の楽しさを発信してください~。

 

来月は、毎年恒例のトキソウの開花調査とため池の生きもの調査です。

守り人のみなさん、トキソウをはじめ、生きものの気配でいっぱいの、初夏の皿池湿原でお待ちしております!