3月17日は守り人の活動日でした。

この日は、午後遅くに雨の予報で、活動中はずっと曇り空でしたが、気温は高めで、快適に作業を進めることができました。参加者は20名。

 

 

新日本カレンダーさんから5名の参加がありました。

今年も守り人カレンダーを制作していただけるそうです。

ありがとうございます!いつもみなさん楽しみにしています。

カレンダーに掲載される写真は、守り人さんたちが活動中に撮影した湿原の風景や動植物などです。この場所でしか撮れない写真ばかりの特製のカレンダーです!

 

本日の活動は、多様性草原への苗の植え付け、G湿原の伐採木の片付けの続き、湿原J山の手の奥(J2)のヒサカキ等の常緑樹の間伐と、大きな切り株へのキノコの菌打ちです。

 

 

湿原に至るまでのいくつかのため池の土手とその周辺は、草が刈り取られて、広い範囲で焼かれていまいした。毎年、農会の方がため池の保全のために火入れをされていますが、土手や法面だけでなく、今年は下の草地まできれいに焼かれています。

地上部を焼くことで、樹木の侵入が抑えられ、ため池の強度が保たれるとともに、春になると日差しをたっぷり浴びた地面から、一斉に植物が生えてきます。ワラビはもちろん、ワレモコウやオミナエシ、ツリガネニンジンなどの在来の植物も多くみられます。草刈りや火入れなど人が適度手入れした草地は、生きものの多様性が高く、里山の美しい風景の一つです。

 

 

昨年3月に、皿池湿原の周辺で採取したオミナエシ、ワレモコウ、カワラナデシコの種を配布しました。あれから1年、種から守り人さんが育てたそれらの苗を持ち寄って、多様性草原などに植え付けます。別途、ミズギボウシも育てていたので、その苗も植えましょう。

 

 

多様性草原のどこら辺に植えましょうか。

植える植物の性質と、土の状態・利用、地形を見極めが求められる難しい作業です。

 

 

周辺を見て回りますが、するどいトゲのカラスザンショウとノイバラも多く、剪定ばさみで切って取り除くのが大変です。

 

 

場所が決まれば、密生した地上部のササを刈って、地中にはびこった根っこも切って、植え付け場所をよく整えて、やっと植えます。なかなか手間がかかります。

 

 

G湿原は、先月に引き続き、伐採木の処理をしました。

 

 

本日初参加の新日本カレンダーの社員さんも、剪定ばさみやノコギリも持参で、汗をかきかき熱心に作業されていました。

 

 

高木も何本か伐ったので、枝も大量です。

 

 

伐採枝葉を入れる大きなバイオネストも作られていました。

一般的には四角や円形が多いですが、いろんな木を組み合わせた自由な形の「見せる」ことを意識したバイオネストでしょうか。

 

 

昨年秋に、湿原内の草刈りをした際にショウジョウバカマの葉っぱを確認していましたが、早くも可愛い花を咲かせているのを見つけました!

 

 

1月に伐採し、湿原の中央に置いたままになっていたヒノキは、入口付近に運び出されていました。細いように見えますが、どっしりと重い!かなりの重量ですが、4人で運んだのだそうです。これは木道などに活用します。

と、運ばれた木に気をとられていると、「手前の地面を見てみて!」と言われて…。

 

 

おっと、小型のイノシシの死骸です。なぜこんなところに?誰が食べたの?猛禽類やカラス、キツネやタヌキかな?

前回の活動日にはなかったので、最長26日できれいに肉を食べられたことになります。臭いもあまりしません。自然のシステムはすごい。

イノシシは毎年4~5頭の子を産みますが、 半数が1歳になる前に死んでしまうそうです。その原因は餓死だと言われています。

自然は厳しい。

 

 

生きもの大好きワタナベさんがさっそく撮影にやって来ました。

「豚熱が流行っているから、触らないほうがいいよ!」という声が。

もちろん触りません!でも、めったに出会えないので撮りたいんです。

 

 

そういえば、多様性草原からG湿原に至る階段で、イノシシの掘り返し跡がいくつか見られました。

必死に餌を探しているのでしょう。

 

 

J2では、切り株でキノコを育てて、菌の力を借りて木を腐らせて分解させようという試みで、キノコの菌打ちをしていました。

 

 

まず、ドリルで穴を空けます。

 

 

そして、木槌でナメコの種駒を打ち込みます。

 

 

この作業は女性にとても人気がありました。

やってみないと分からない面白い実験です。とにかく、美味しいに繋がる作業はわくわく楽しいものです。

 

 

菌打ちした切り株には、間伐したヒサカキ等の枝を被せて乾燥させないようにしていました。

午前の作業はここまで。

 

午後は午前の続きです。

 

 

午前に植えきれなかったオミナエシやワレモコウなどの苗を全部植えてしまいます。

 

 

オミナエシの苗。上手く育ってほしいものです。

 

 

J湿原にも数株のミズギボウシを植えました。

 

 

ちょうどヒサカキの花が満開でした。葉っぱの裏側の枝に、たくさんの白い花を下向きに付けています。

 

 

独特の匂いがありますが、アップにすると、花びらが少しピンクがかって美しい花です。

 

 

館近くの道沿いのアセビは、他の場所のアセビより一足早く、満開でした。

春はもうやって来ているようです。

 

守り人のみなさん、本日もお疲れ様でした。

今年度の活動は今日までです。

4月からも四季の変化を楽しみながら、活動を続けていきましょう!