1月の15日(土)は守り人の活動日でした。
厳しい寒さを覚悟していましたが、この日も穏やかに晴れて、比較的暖かく、先月同様に作業が捗りました。参加者は10名。
本日の活動は、参加者全員がまずはJ2の里山林へ行き、いくつかの作業などを手分けして行います。
今回から、森林管理に必要な道具、ノコギリや剪定ばさみなどを腰に下げるためのベルトを用意しました。
さっそく装着します。
これで、ノコギリで木を伐って、さっと仕舞い、剪定ばさみを取り出して細い枝を切るなどの作業の効率がアップします。
このベルトは、思った以上に作業がしやすくなった!と好評でした。
J2は長年放置された里山林で、林内が暗く荒れ放題でしたが、これまでの管理によって、観察路に近い側はずいぶん明るくなりました。
J2の奥は、まだ手付かずで、常緑の木々が密に生えています。
日が当たらないこともあり、ひょろひょろの細い木、斜めに生えている木、立ち枯れた木も多くみられます。
細い木を伐ったり、倒木を片付けたりして、林床に日が届くようにしていきます。
伐採枝葉はバイオネストへ。いつもの作業です。
そんなちまちま切って入れるより、これでしょ。
長いまま積んでいく、ナカザワさん方式。
少し離れた場所で作業を進めて、きれいに揃えて積まれていました。
もう一つの作業は、両生類の産卵場所に、アライグマ除けのメッシュ網を設置することです。
まずは、2枚の網を針金で編んで、つなげて幅を広げます。
網に木枠を取り付けます。
時期により、網を取り外したり、設置したりできるようにします。
本日は、木の伐採や片付けをするチームと、網を設置するチームのほかにもう一つ、J2の奥に続く道をたどって、昔の作業道?を探索するチームに分かれました。
林内作業が一段落した頃に、ニコニコ笑顔で帰ってきた探索チーム3人によると、道らしきところをずんずん進んで、A湿原の奥の奥、思わぬ場所へ出て、かなりの距離を歩いたそうです。
「クロバイがたくさんある場所を見つけたよ!」との報告もありました。
山歩きや探検好きの守り人さんも多いので、今後は、あちこちに残るかつて集落の人が利用していたと思われる旧道探索もテーマの一つに加えて、新たな地図を描いていきましょう。
午後は、午前の続きなどを行いました。
見上げると、フジのつるが絡まった木が多くあります。
つるを引っ張ってみたり、ぐるぐるを外すのにトライした人もいましたが、しっかり絡みついているので、途中で諦めるしかなかったようです。
午前中に作ったアライグマ除けの網は、設置場所へ運びます。
両生類の産卵場所をカバーします。
「こんな見たことないもんがあっても、サンショウウオは来てくれるのかな。」
ちょうどいいカーブの間伐材をクロスさせて、アーチ状に組んで、網の中央部が水面に触れないようにセットしました。
安心して産卵してもらえるといいですね。
枯れかけの木がちょうど使い易い太さだね、ということで、伐採が始まったようです。
倒れる方向の受け口と反対の追い口の位置が微妙に合わないのか、なかなか手強く、倒れません。
最後は力を合わせて押してみます。
やっと倒すことができました。
本日のJ2での作業はここで終了です。
目印に渡したロープをよく見たら、隙間に何かがいます。
あちらこちらのロープがくるりんと巻いた部分に、ケムシが5~6匹ずつ身を寄せ合っていました。
小さな生きものたちは、たとえ人工物であっても、寒さがしのげることを察知して上手く利用するのですね。
こちらは、ヒメタイコウチの標柱近くの枯れかけのマツの伐採です。
倒したい方向と反対側に傾いているため、ロープで引っ張って倒す方向をコントロールします。
対象木周囲にはカラスザンショウ、ノイバラ、サルトリイバラなど棘がある植物が密生しており、 思わず痛い痛いと声を出しながら作業するヒノさん。
ロープをしっかりかけて、倒したい方向へ安全に誘導します。
狙いどおり上手く倒れました。
見守っていた守り人さんから、「お見事!」という声が上がりました。
材がストックされていきます。
日が傾いてきました。
活動終了前に、「ミドリシジミの卵を探したい」という守り人さん。
それならと、みんなで探してみることに。
なぜか樹上を見上げているけれど、下のほうに産卵するようです。
一とおり木を見て回りましたが、残念ながら見つかりませんでした。
また来月に再度観察してみましょう。
ミカン類など果樹の害虫として知られる、ゴマダラカミキリがいました。
触ってみるとカサカサに乾燥して、標本化していました。
今まで見過ごしていましたが、サクラバハンノキの古木には、常緑のシダ植物、ノキシノブが生えていました。
守り人のみなさん、本日も遅くまでお疲れ様でした。
来月も、また新しい発見を楽しみにご参加ください。
お待ちしております!