8月7日は、守り人の活動日でした。

 

この日は立秋で、暦の上では秋の始まりですが、まだまだ厳しい暑さが続きそうです。

朝のうちは雲が広がって日差しは強くありませんでしたが、猛暑日になる予報のなか、参加者(守り人見習い1名含む)は、16名。

 

 

本日も感染予防と熱中症予防、ダブルで注意しながらの活動です。

活動内容は、毎年恒例のサギソウの開花調査、見学会に向けての観察路整備などです。

 

 

まずは、湿生林を抜けて、B湿原のサギソウ調査へ。

林内は草が密に伸びています。

足元の視界が悪く、ヘビにも注意です!

 

 

横並びで進みながら数えていく作戦で、サギソウ開花数、約160を確認しました。花を数えたあとは、各自で興味のあるものの観察にばらけます。

 

 

サギソウの背後に見える紫色の花は、ホザキノミミカキグサです。

 

 

G湿原は、生きものを間近に観察できるので、見学会でも撮影スポットして人気です。サギソウがわずかに咲いていました。

手前右端に見える白い花はサギソウではなく、サワシロギクです。

 

 

A湿原のサギソウは、500以上確認できました。

 

 

サギソウは多数のつぼみを付けていて、これからが開花のピークです。

 

 

ため池のほとりに咲くサギソウ。

猛暑のなか、涼しげな佇まいは魅力的です。

 

 

次は、ヒナノシャクジョウとホンゴウソウの観察へ。

対象が非常に小さいため、ついつい密になってしまいます。

 

 

毎年観察している守り人さんたちは、素早く見つけて観察開始!

初めての守り人さんは「いったいみなさん何を見ているんですか?!」と、なかなか焦点が合わない様子です。

とても小さくて不思議な植物の世界です。

 

 

ヒナノシャクジョウは、葉緑素をもたない菌従属栄養植物で、茎頂に3~10個程の筒状の花をつけます。先端が茶色いものは、花が咲き終わったもの。

 

 

ホンゴウソウも同じく葉緑素をもたない菌従属栄養植物です。

写真で見ると大きく見えますが、高さは1~2㎝程です。赤い色なので、すぐに見つけられそうですが、それがなかなか難しい。

カメラで撮影しようと一瞬でも目を離すと…あれれ?どこにいましたっけ、と落ち葉に紛れてもう見つからない、なんてこともしばしば。

 

 

今回新たに、奥へ続く道にも、たくさんのヒナノシャクジョウが確認されました。目が慣れてくると、ここかしこに!

小さな星を散りばめたかのようです。

 

 

星々を踏みつけないよう注意して戻ります。

 

 

ため池の堰堤の法面に、今年も鮮やかなピンク色の花、ママコナが咲いていました。

山林の林縁などに生育する1年草で、イネ科やカヤツリグサ科の植物の根に寄生する半寄生植物です。

葉緑素を持って光合成も行うけれど、宿主からも栄養をとっている、ということは、ちょっとラクしている?

自らの葉緑素のみのでも生育できるそうですが、両方だと、その個体は、より大きくなるとか。面白いですね!

 

 

めずらしく、ミヤマクワガタのメスがいました。

湿原周辺で、クワガタやカブトムシなど人気の虫たちは、ほとんど見かけないのですが、よく探せばいるのかもしれません。

 

 

午後の活動に参加したのはお二人だけ。

ヤマムラさんとワタナベさんがJ2(ジェイツー!J湿原の山の手のことをヤマムラさんがそう名付けました。)で作業されていました。

観察路のロープの張り直しなどは、スタッフで行いました。

 

守り人のみなさま、本日も暑い中、お疲れ様でした!

いろいろ観察して、新しい発見もあり、夏の湿原を満喫しましたね。

 

8月23日には、一般市民向け「皿池湿原見学会」が開催されます。

守り人さんの案内サポート参加、お待ちしています!