6月21日は守り人の活動日でした。
この日は曇り空でしたが、昼頃には日も差して、時折り涼しい風の吹く、活動びよりとなりました。
参加者は、守り人22名、企業4名、守り人見習い1名の合計27名でした。
朝のミーティングでは、今後予定されている観察会などのお知らせと、近隣の里山保全の市民ボランティア活動で発生した、樹木の伐採時の事故についての報告がありました。
私たちの活動においても、更に安全面への気配りを忘れずに、事故やケガのないようにしましょう!
本日の活動内容は、ため池の水生動物調査と、A湿原のベンチや視点場へ行く木道のメンテナンス、セイタカアワダチソウやヒメジョオンなど外来植物の引き抜き、各湿原やその周辺の生きもの観察です。
まず、ため池の水生動物調査班。
水生動物のエサを用意します。
エサ4種類のスペシャルブレンドです。
エサを入れたモンドリは、うまく生きものが入りますように!と、願いを込めて、手分けして6カ所に設置しました。その後、池の外周を、ナガタさんとヒノさんがタモ網でガサガサしました。
「ナガタさん、そこは深いから危ないよ!」などと、岸部からの掛け声も賑やかに。
捕獲した種類は、2016年度の調査及び昨年度の調査とほぼ同じで、変化なしでした。生態系が安定しているようです。
ただ、なんじゃこら?の新入りが1種増えていました。
水中の枝にくっついて浮かぶ変なやつ。
オオマリコケムシです。北アメリカ原産の外来種。巨大なバスケットボール大のも浮いていましたが、重すぎて引き上げられず。
でも、なぜここに?
コケムシは表面の多角形のつぶつぶ一つずつが、1匹の小さな動物体で個虫と言います。個虫にはちゃんと口と肛門と触手があって、これらが集まって目に見えるサイズの群体塊を形成しているそうです。
また、有性生殖によって増えるほか、無性生殖でも増えることができるそうです。水温低下など生息環境が変化すると、植物のタネのような休芽を放出します。休芽の周囲にイカリ状のトゲがあり、人(釣り道具など)や鳥などに付着し分布を広げているとのこと。
繁殖のためのいろいろな戦略があるものです。
この池へは、鳥が運んできたのかもしれませんね。
ヤマムラさんから提案のあった、A湿原の腐りかけた木道やベンチのメンテナンス班。
「ああ~、息が切れてきたわ。」「息切らさんと、木を切らなあかんで。」などと、楽しい掛け合いが聞こえていました。
メンテナンス、というか作り直し?は、使用する木はできるだけ真っすぐなもの、など吟味して、ちゃんとヤマムラクオリティに達していないといけないのです。
腐っていた木道も安心して渡れるようになりました。
守り人の館にご招待した生きものたちの観察タイム。
オオマリコケムシは、中身はどうなっているの?という好奇心から真っ二つに割られていました。
指でツンツン、「あ、意外と硬いよ。」
生きものたちは、観察のあと、すみやかにリリースしました。
ここで昼食タイムです。
ヨシダ(ノブ)さんが、朝ここへ来る途中の道で摘んできたキノコ。
イグチ科のキノコで、食べられるかも、とのこと。
キノコの鑑定は難しいですね。
昼食後は、Café SARAIKE。
トラタニマスター、今日もありがとうございます。
午後は自由参加です。
午前にメンテナスしたベンチをさらにグレードアップ。
座り心地を改善しました。
何かを見つけて撮影中。
コナラに美しいグリーンのヤママユガの幼虫がいました!
ガラスでできたオブジェのようです。
マユも残っていました。
昨年の秋に羽化して、きっと今は空き家ですね。
池のほとりにたたずむ、水生動物調査班のタナカさん。
「何かいますか~?」「アメリカザリガニだけです。」
ノハナショウブがまだ咲いていました。
トキソウもまだ少し咲いていました。
綺麗な柿色のカキランはこれから。
ハッチョウトンボのオスの鮮やかな赤を見ると、わくわくします。
外来植物の抜き取りの後、ハンカイソウを見に行っていた守り人さんたちが、充実した表情で戻って来られので、本日の活動はここまで。
みなさま、お疲れ様でした!
7月の守り人の活動は、地元の方も参加してくださる予定ですので、ワサワサに伸びたササ類や、イバラなどを、人海戦術で一気に刈り取りする予定です。また、キキョウなどを植栽した草原は、守り人さんたちによる、選択的な手作業での刈り取りを行いたいと思います。
いよいよ夏本番となりますね。
来月も、暑い日差しの下で、守り人さんたちのご参加お待ちしております!