10月20日は守り人の活動日でした。
朝はどんより曇り空でしたが、しだいに日も差して、暖かい活動びよりとなりました。
この日は、あちこちでイベントが開催されていましたが、守り人の活動を優先!という方々が集まって、参加者は15名でした。
本日の活動は、①守り人の館周りのセイタカアワダチソウの抜き取り。②守り人のタナカさんが湿原内のため池で魚類等調査を実施されたいとのことで、そのお手伝い。魚類等を捕獲する網などを仕掛けたら、引き上げるまでの待ち時間に、③いつもの里山管理を行います。
でもその前に、今後の取り組みの紹介(予告)を少しだけ。
その取り組みとは、「みんなでタネを育てて、皿池湿原に美しい草原をつくろう!」というものです。
昨年も、草原には、キキョウ、キスゲ、ツリガネニンジンなどの苗をみんなで植えましたね。
「と、いうことは、その続きかな。もっといい感じの草原にするつもりだな。」と思った守り人さん。正解。そのとおりです!
湿原の近隣や、三田市内の草原で集めた在来の植物(ワレモコウ、スズサイコ、、オミナエシ、タムラソウ、ノハナショウブなど)のタネを守り人有志で育てます。それらの苗を植えて、さらに多様性が高く、美しい草原を目指そうという取り組みの予告です。
まずは植物のタネを見てもらおうと取り出すと、即座にぐぐっと近寄って、みなさん思いのほか興味深く見ておられました。
綿毛のついたもの、大きいの、小さいの、タネも多様性に富んでいますね。育ててみたいと思われた方は、ぜひトライしてみてください。
守り人の館の前の広場に目立って生えているセイタカアワダチソウを引き抜きます。みんなでやれば、あっという間です。
次は、ため池へ魚類等調査へ。
池にかご網(もんどり)を仕掛けます。
かご網を仕掛けるのは初めてのご様子。楽しそう。
仕掛けを待つ間に、里山管理作業です。
新人守り人さんにとっては、これがはじめての現場での活動となります。
いつものことながら、伐採した細い木を揃えて積んでいきます。ちょっとしたことですが、見た目はとても大事ですね。
魚類等調査はどうなったでしょう。
かご網を引き上げてみてみます。どれどれ。
結果を調べる守り人のタナカさん。(そこに心強い助っ人登場。水生生物のかっこいい達人です。一緒に調査していただきました。)
調査結果は、魚類(ヨシノボリなど)4種、水生昆虫(ミズカマキリなど)6種、甲殻類(スジエビなど)2種が、それぞれ1~4個体ほど捕獲できました。
少々寂しい結果のような気もしますが、その理由は、季節的なこと、水温が低かったこと、仕掛けたのがやや浅い場所であったことなどが考えられます。
それでも、生きものの調査はわくわくしますね!また違う季節にも、ぜひ調査したいものです。
いつも見ている池にどんな生きものがいるのか、観察する守り人さんたち。生きもの大好き、興味津々。
午後は自由参加です。
秋の植物の観察やセイタカアワダチソウの抜き取りの続きなどを行いました。
こんなところに、イヌセンブリが!
チクチクのノイバラをチョキチョキ切りながら、かき分けて進んだ先に、可愛い姿があちこちに。
イヌセンブリは、リンドウ科センブリ属。湿地や湿った草地などに生える越年草で、花期は10~11月。花は直径15㎜程。花冠は5裂して、裂片は長さ8~10㎜で白色、紫色の条線があります。などと、専門家は書いておられるけれど、ようするに、白い小さな花で、花びらには紫色のすじが入っています。間近で見ると、このすじの色が素敵な紫色で、細部の色合いや姿がとても魅力的な植物です。
名前の由来は、健医薬に用いられるセンブリに似て、センブリほど苦くなく、薬にはならないから、イヌセンブリらしいのですが、役に立つかどうかは植物自身には関係のないことですね。(ちなみに、絶滅危惧種です。)
堰堤では、セイタカアワダチソウの抜き取りをしています。
同じ植物なのに、引き抜かれてしまったり、大切に保全されたり。
どこへ行っても外来の植物がワサワサ生えている変わり映えしない風景ばかりだと、どうなのでしょう。
昔ながらの、歌に詠まれ、描かれたような、その地域ならではの、季節を感じる、ほっとするような日本の原風景を残したいと思いませんか。
希少な在来の植物は、もしも絶滅してしまったら、二度と全く同じには戻せないので、できるだけ守っていきたいものです。
本日もお疲れ様でした。
11月の守り人の活動は、ベンチづくりや、プレートづくりなどを予定しています。ますます深まった秋の湿原でお待ちしております!
またまた守り人のセキモトさんからいただいたチラシです。
紅葉の有馬富士公園の散策と古墳めぐりだそうです。
歴史や文化も学べて、紅葉も楽しめるなんて、お得な企画だと思います。
申込み締め切りは過ぎていますが、ご興味のある方は、ぜひお問い合わせしてみてください。(定員一杯だったら、ごめんなさい。)