5月19日は守り人の活動日でした。

 

前日からの雨は上がって、集合時間には青空ものぞきました。

時折り雨がパラついたりしたものの、暑すぎず、ちょうどいい作業日和となりました。

参加者は、地元の集落からも1名ご参加くださいましたので、合わせて13名でした。

 

 

まずは、市のタカギさんからお知らせです。

「6月24日に親子向けハッチョウトンボ観察会を行います。講師は、皿池湿原の守り人のトラタニさんです。よろしくお願いします。」

 

 

本日の活動は、先月整備したサクラバハンノキ林に、石田先生と一緒にカザグルマを植栽します。

 

 

カザグルマの苗木は、ひとはくにおいて、一昨年に収穫した種から育てたものと、昨年さし木により育てたものです。

 

 

植栽用の用土は、赤玉土、鹿沼土、日向軽石を混ぜたものを使いました。

 

 

カザグルマはキンポウゲ科のつる性多年草で、林縁など、やや湿った明るい場所を好みます。花はその名の通り風車の羽根に似て、多くは白色または淡紫色のがく片(花びらのように見えます)を8枚つけます。


 

一株ずつ丁寧に植えていきます。

活動地に植栽するのは、地域の希少な植物をここで守っていこう!という意味もあります。

ササ類に覆われてしまわないように継続的な管理が必要になります。

 

 

一株だけ、花のイラスト付きの、名前のプレートを付けました。

5~6月頃に、大きくて美しいこのような感じの花が上向きに開花します。

 


カザグルマの植栽のあとは、草原に移動して、ササ類等の刈り取り作業で誤伐しないように、植栽したキスゲとキキョウ、ツリガネニンジンに目印の杭を打ちました。

 

 

全部に目印が付いたので、心おきなくササ刈り!といきたいところですが、今日はここまで。

 

ちょうどお昼になりました。

 

 

昼食後のCafé SARAIKE は本日も開店。

ありがとうございます。

トラタニマスターはトンボマスターでもあります。飛翔するトンボを見分けることができる達人です。

親子観察会の講師もよろしくお願いします。

 

午後は、自由参加で石田先生と一緒に、この季節ならではの生きものの観察です。

 

 

おお!イシモチソウが咲いています!

貴重な開花のタイミングに出会えました。感動。

イシモチソウはモウセンゴケ科の食虫植物です。葉にはたくさんの腺毛があり、その先端から粘液を出し虫を捕らえ消化吸収します。

葉の強い粘液が、触れた小石をくっつけて持ち上げてしまうというのが名前の由来です。

 

 

ヤグラさんも夢中で撮影。(下の写真。うまく撮れました。)

 

 

ハッチョウトンボも飛びはじめています。

この写真には2頭いますので、よく見てくださいね。

 

 

タンナサワフタギも満開でした。

 

 

少し足を延ばして、ハンカイソウに会いに行きました。

 


ハンカイソウは、キク科の大型多年生草本です。

花茎を高く伸ばして花を咲かせています。根元から生えた葉は大きく掌状で深く分裂し、茎も太い。

間近で見てみると、とても存在感があります。

 

 

「いいですねぇ~。」と何度もつぶやきながら、石田先生が撮影しているのは、シライトソウ。真っ白で清楚な佇まいの美しい花です。

 

 

エゴノキの下向きの可愛い白い花も満開でした。

これは、湿原への入口付近のエゴノキです。湿原へ向かう道中にも四季折々の見どころはたくさんあります。

 

午後の部は、たくさんの生きものに出会えて、充実した楽しい観察会となりました。

小さくて目立たない生きものも、ちゃんと「ここ」にいて、こうして出会えることはうれしいですね。この先もずっと、「ここ」にいてほしいものが、いなくならないように、そして、少しずつ増えていくように、楽しく活動していきましょう。

 

6月は、いろいろな植物が開花の時季を迎えます。トキソウ、カキラン、ノハナショウブなどなど。

そこで、来月の守り人の活動は、生きもの観察をメインに、それぞれ自慢のカメラで撮影したり、この季節ならではの湿原を楽しみたいと思います。

観察の道すがら、見学会などに向けた散策路の整備(ササ類をチョキチョキなど)もできるといいですね。(こちらがメインになったりして。)

 

それでは、濃い緑に包まれた初夏の湿原でお待ちしています!