10月14日は守り人の活動日でした。
秋の訪れを感じる今日このごろ、過ごしやすいいい気候になりました。実りの秋、読書の秋、スポーツの秋、そして、湿原やその周辺里山の管理作業に最適のシーズンの始まりです!
今回の活動は、兵庫県立人と自然の博物館の石田先生にもお越しいただき、湿原の拡大と、乾いた草地の植物の多様性を高める取り組みです。
すでに皆さんお気づきのように、皿池湿原の魅力は、湿原だけではありません。湿性林あり、ため池あり、乾いた草地あり、里山ありの生態系の豊かさが、皿池湿原の魅力をさらに高めています。
今にも雨が降りそうな曇り空の下、参加者は17名でした。
ヤグラさんから草地に植栽する苗の話を熱心に聴く守り人さんたち。
活動は、「湿原を拡大する班」、「草地の刈り取りと植栽をする班」の二つに分かれて作業を行いました。
【湿原の拡大】
C湿原の奥には、上層が樹木に被われて鬱蒼とした小さな湿原がありますが、この場所を暗くしている上層木を伐採することで、もとの湿原に戻る可能性があります。
石田先生は、このような場所を「潜在的湿原域」といわれて、潜在する湿原の再生は、ぜひとも守り人の皆さんに取り組んでもらいたいことの一つだとおっしゃいます。
お話を聴いて、皆さんのやる気スイッチオン!石田先生も一緒に作業を開始です。
鬱蒼として暗かった場所が、たちまち明るくなってきました。
上層木を伐採することで、多様な植生が再生できる可能性があるのなら、ますます遣り甲斐がありますね。
【草地の刈り取りと三田産苗の植栽】
上皿池の堤体(ため池を囲む片側の堤防。ハンノキ林と道の間ののり面)には、1年前、ササが密生していました。かきわけても前に進めないぐらいの繁茂でした。それを刈り取り、はや1年。再び、ササが立ち上がってきています。
↑ササが密生し行く手を阻む1年前の上皿池堤体
ササの背丈はずいぶん低くなり、1年前ほどではありませんが、ほぼササのみの単一群落で、種多様性が非常に乏しい状態です。
この場所の刈り取りを続けながら、ススキやチガヤの草地に移行させて、草花の咲きほこる草原にしたい!!
それも、できるだけ早く!(贅沢かしら… ^^;)
ということで、遷移のスピードを人為的に速める試みが今回の取り組みです。具体的には、三田産の草地生植物をササの刈り取り後に植えます。
今回植えたのは、人と自然の博物館から提供いただいた、キキョウとツリガネニンジンの苗と、守り人のゴトウさんから提供いただいたキスゲの苗とカワラナデシコのタネです。
↑人博提供のキキョウとツリガネニンジン
↑ゴトウさん提供のキスゲ
(お持ちいただいて、ありがとうございます!!)
植物を植えるために、まずは繁茂したササの刈り取りをします。
時々雨がぱらついてもなんのその、どんどん刈り取ります。
刈り取った草は、レーキやフォークで集めて、集積場所へ運びます。場所を決めて、あまり広がりすぎないよう、できるだけ見た目にもきれいに積みます。
刈り取った成果はこちらです。↓
スッキリと、すっかりキレイになりましたね。
ササ刈りはとても大変でしたが、皆さん力を合わせて全面を刈り取ることができました!
ということで、次は植栽です。
斜面の上方にランダムに植えて、下方に広がってくれることを期待します。
これはキキョウの苗。紫の花が咲くと風流。
こちらはキスゲの苗。初夏にユリに似た黄色い花を咲かせます。
黄色い花が揺れていると爽やか。
この場所を気に入って、元気に根付くことを祈りましょう!
あ~、カワラナデシコのタネも播かねば!^^;
居残りで、ひとり寂しく種を播くヤグラさん。
ちゃんと芽を出してくださいね~。みんなも期待してますよ~。
活動のあとは、守り人の館に戻ってお昼ごはんです。
食後は、本日も開店、Cafe SARAIKE へようこそ。
マスターは今日もイカしてます。
コーヒータイムでリラックスすると仲間同士の会話も弾みます。皿池湿原の植物の話や、トンボの話…、尽きません。
守り人さんたちが、だんだん打ち解けていくのが嬉しいですね。
急がなくても、緩やかにチームとして輪ができていく感じがいいと思います。
湿原の拡大や、草地の植栽がどうなるか、急いでもなかなか成果は見えないかもしれませんが、季節が巡って、何かいい変化に気づいた時の喜びは、どんなでしょう。わくわく。
皆さん、お疲れさまでした!!
次回は、湿原周辺の暗い場所の里山管理を予定しています。
また来月も、この場所でお会いしましょう!