9月22日は、守り人の活動日でした。参加者は21名。

今月は、皿池湿原での活動はひと休みして、保全活動に精力的に取り組まれている加西市のあびき湿原へ見学に行きます。

 

 

あびき湿原訪問を楽しみにしていた皆さん。小雨のぱらつく中、バスに乗って、さぁ出発。

 

 

南網引町公会堂に到着です。

あびき湿原保存会会長のヤマシタ氏とオウチ氏が迎えてくださいました。お天気が少々心配なので、さっそく、現地見学へ。

 

 

あびき湿原の入り口には、立派な案内板が設置されています。

 

 

案内板の横には、バイオトイレ設置の協力を呼びかけるメッセージと募金箱がありました。

 

 

湿原へと続く道には、訪問者数をカウントするメーターが設置してあり、一人ずつ紐を引っ張ります。

 

 

しばらく歩くと、今度はこんな看板が。

長靴は川で靴底を洗い、その他の靴は、泥などを落とせるよう、ブラシが備え付けられています。外来植物などの種を極力持ち込まないためのものです。

湿原に辿り着く前から、保存会の方々のアイデアや工夫が随所に見られて、とても興味深いです。

 

 

ここは第1湿原。

木道を歩いて、間近で植物などを観察することができます。

 

 

ヤマシタ氏とともに、熱心に活動されている加西ナチュラリストクラブ会長でもあるオウチ氏。あびき湿原の成り立ちや、周辺の集水域から湿原へ水を供給するために、これまで長年にわたり関わってきた保全活動の経験や知恵が生かされていること、とにかく何でも試してみるのが肝心であること、試行錯誤しながら、より良い湿原環境づくりの取り組みを続けていることなどを伺いました。落ち着いた語り口ながら、熱い想いが伝わってきました。

 

 

一番広い第2湿原です。

ここにも木道が設けてあり、中央部からも湿原を見渡すことができます。湿原の一方は池に面して皿池湿原と似ていますが、ここは周囲がヒノキ林です。

 

 

湿原の奥は、やや乾いた草地で、皿池湿原では見られない植物、アザミに似たタムラソウなども咲いています。ここには、春の女神と呼ばれるギフチョウの幼虫の餌となる植物、ヒメカンアオイが自生していますが、個体数を増やして、さらに充実していく取り組みもされています。春に訪れると、運が良ければギフチョウの舞う姿に出会えるかもしれません。

 

 

湿原の地図と観察時などの注意事項。

 

 

守り人の皆さんの興味は尽きませんが、そろそろ戻りましょう。

 

 

公会堂に戻って昼食の後は、ヤマシタ氏から保存会の活動や取り組みのお話を映像を交えて伺いました。

 

 

地元の高校生が、ドローンを使って上空からあびき湿原を撮影した動画です。高校生を巻き込んだ植物調査や小学生の環境学習など、貴重な環境を次世代へ引き継ぐ活動にも積極的に取り組まれていることがよくわかりました。

 

 

活発な質疑応答がなされて、大いに勉強になりました。今後の皿池湿原での活動のヒントになることもたくさんあったと思います。

 

 

ヤマシタさん、オウチさん、本日は大変お世話になり、どうもありがとうございました!今後も情報交換しながらの交流、どうぞよろしくお願いいたします。

 

守り人の皆さんもお疲れさまでした。

あびき湿原で見聞きしたことは、大いに刺激になったのではないでしょうか。同時に、皆さんのフィールドである皿池湿原の魅力を再発見するきっかけにもなるかもしれませんね。

 

秋は保全管理の季節です。10月からの活動のお知らせもブログや守り人専用ページにアップしていきたいと思いますので、ときどき覗いてみてください。