7月14日は活動日でした。
守り人のみなさん、大変お疲れ様でした!
今回の活動は、美しい草花、珍しい昆虫に誘惑されて、湿原に不用意に入らないようにするための作業が主でした。
「ここから観察しましょう!」と、湿原と陸域の境界にロープを張ったり、「この位置から湿原が一望できますよ!」と、ビューポイントを示すための椅子を設置したり。。。
これらに加え、前回つくったネームプレートも設置して、これまでの景色がブラッシュアップ、さらに素敵になりました。
最初に、本日の作業のことなどの説明がありました。
平日にもかかわらず、今回も新日本カレンダーさんから若手4名が参加してくださいました。ありがとうございます!
守り人の館前の木陰に集合。熱心に話を聴くみなさん。
朝から強い日差しが…この季節は、木陰がなによりです。
さあ、ロープ設置、椅子づくり、プレート取り付けの3班に分かれて作業の開始です。
①人止めロープの設置
ロープの始まりはこの辺からにしましょうか。
杭を等間隔にうつなど、設置の美しさにもこだわります。
「観察できない視点場というのもねぇ~」と、観察しやすいようにロープの位置を微調整。
このように湿原と陸域の境界にロープを張り巡らし、湿原への進入をブロック。植物や昆虫たちを守ります。
どれどれ位置を確認。
人止め効果もばっちり!(笑)
②視点場に椅子の設置
椅子づくりには、常緑樹のソヨゴを伐採して材料にします。
湿原周りの里山には、ソヨゴやヒサカキなどの常緑がたくさん見られます。朝の集合時にみなさんと見た湿原周りの空中写真を覚えていますか?落葉期の写真なのに暗い緑色が多かったですね~。
不要な枝葉は、分解しやすいように、また、地表面をできるだけ覆わないように、短く切って小高く積み上げて整理します。
伐採した木の処理はやっぱり大変です。
新日本カレンダーのキムラさんとナカニシさんは、山仕事に慣れておられるのでしょうか。ベテランの守り人さんにも負けていないてきぱきとした作業です。。。秋から冬に控えた管理作業にも是非ご参加下さい!(懇願…。でもカレンダーさんの繁忙期ですね…残念。)
「土台の脚は、一段だと、椅子が低くて足が辛いな~」
ということで、丸太3本使って二段にすることに。
協力して椅子3脚の制作を目指します!
慣れた手つきで、
集中して。
モノづくりって楽しいですね。
積んでいた間伐材からアオマダラタマムシが出現!
椅子を設置する林床には、オオバノトンボソウが。
ここは繁茂していたササを刈り取った場所です。
日光を浴びて嬉しそう。
「ありがとう!」と言ってくれ、オオバ君(笑)
ちなみに、前回の活動では、湿地でコバノトンボソウが観察できましたね。
完成!!素晴らしい!
見た目も座り心地も最高です。
「私が座れるのだから大丈夫」と、ハヤシさんのお墨付き。
椅子に座って、なごやかに。ぐっといい雰囲気になりました。
眺めがいいので、若者だって、つい座ってしまいます。
椅子の変形バージョンとして、水路をまたぐ橋(木道)をつくりました。
間伐材を番線で結束し、固定します。番線を締めるのに「しの」という道具を使います。
使い方はフタクチさんに教わりました。独特のテクニックです。特に男性は興味津々でしたね。
できました!!これで湿地への大事な涵養水を断つことはないでしょう!
➂ネームプレートの設置
ネームプレート班は、おしゃべり大好き。でも、手は止めないので、作業もはかどります。
プレートを木に取り付けるのはどうします?シュロ縄だとナチュラルでいいけど弱そうだし、ワイヤーは生長した木に喰い込んでいるのを見たことがあるけど…。
では、これは?とヤマムラさんがフジのツルを使うアイデアを提案してくださいました。
まず、ツルを木に巻いて、そこにプレートを掛けると、ほうら、こんなふうに、どうでしょう?
素敵なアイデア。それでいきましょう!
ツルをたくさん集めます。
こうやって木に巻いて、
ツルを使うと、いい感じです。
次はこれに付けましょうか。
ちょっと持っていてくださいね。
リースを作って掛けても可愛い。
みなさんと椅子を設置したのは、いちばん大きな『湿原A』の視点場です。最後に、ここには湿原名のプレートを付けましょう。
間伐材で作った杭を打って、プレートが架けられると、みなさんから拍手がわき起こりました。
記念の写真撮影
今回の作業は、湿原の見学者を受け入れるためのホストとしての取り組みですが、実は、私たち自らに向けたメッセージでもあります。作業を通じて私たち「守り人」も湿原への理解を深めていって、次の段階では、それを誰かに伝えていきたいですね。
暑い中での作業でしたが、協力しながら楽しくやり遂げることができました。充実した一日でしたね!