もう十数年も前の事。
社会人になりたてで田舎から上京し、右も左もわからない時、会社の先輩の紹介で年上の銀行員の女性と付き合った。

本当に好きだった。

お互い仕事をしてても、時間を見つけては彼女の元に行き、少しでも時間を共有して。
俺の田舎が遠すぎて、正月帰れない時は、彼女の実家に招かれて彼女の両親も含めて一緒に年も越した。

この人と一緒に、いつまでも同じ様に年を越せたら幸せだよな、なんてガキながら妄想も膨らませて幸せだった。


でも歯車が狂ったのは何時だったのかすら覚えてないけど、原因は彼女を紹介してくれた先輩だったのは今でも忘れない。


たまたま家デートということで彼女の家に行った時、ふと目に入った彼女の手帳。
しかも開いたままだった。
さっきまで全然気づかなかったのに。

チラッと見た瞬間に見えた文字はS(先輩の名前)とお泊り の文字だった。
確かにその日、会えなかった日だった。
先輩も足早に帰宅した日だった。

ショックが大きすぎたのもあって、何も言わずにただ今日は帰るとだけ言って帰った。

ある程度日にちを置いて、気持ちを落ち着かせて先輩をランチに誘ってサラッと問いただしてみた。

「あぁ〜、ばれちゃった?ちょっと一緒に飲んでてその気になっちゃてさ笑」

それだけで十分だった。
もう何を聞いても、彼女も先輩も信じられないと思った。

それから彼女からの連絡もスルーし、先輩とも気まずくなって2ヶ月後、会社を辞めた。


おそらくだが……この時から俺は女性を心底信用するって事をしなくなったのかもしれない。


いや、女性だけじゃないな。
人そのものを信じられないと思う様になったのかもしれない。


まぁ、今思えばちっちゃいなって思うことなのかもしれないけど……なんだかんだと女性とお付き合いさせてもらう時、ふと思い出す苦い思い出。

これが今も抱えてるトラウマなのかもしれない。