前回からの続き(一気に進みます)

いきなり終盤戦です。△77角成からわらわら行くのは▲44歩などの反撃で後手の負け筋。こういう時こそテクニックが必要である。まずは△46歩(金取り)と打つ。放置はさすがに先手としても気味悪いはず(とはいえあり得るかも?とも思っていた)なので実戦は▲46同角。▲46同金は金が守りから離れるし角が守りに利かなくなるので確かに指しにくい。そうしておいて△57歩と打つ。これも△58銀とか打つ手が残るので▲57同金。▲57同角は△56歩と追撃、▲57同銀は角が守りに利かなくなるので86の角を取りにくくなる(具体的には△79飛成の王手がある)。そしてさらに△56歩と金取りに打つ。これを▲56同金は△47歩(銀取り)と打つ。以下▲47同銀ならそこで△77角成と突っ込む

これは変化図だが、この77に成った竜が47の銀取りになっているのが先ほどの歩のたたきの効果。

 

というわけで後手が歩をたたきまくって△47銀と絡んだところ。途中1回▲53歩と利かせて43の金を玉から少し遠ざけたのだが、結果的にこれが勝敗に影響したのかもしれない。しかし、それはもう少し後の話

先手としても△47銀にかまっていられないと▲86金と角を取った。後手としても△56銀成と金を取る手は魅力的だが、終盤は駒得よりスピードである。△58歩と一発王手をかます。▲58同飛から精算するのは直後に△78飛成の王手がある。ということで▲49玉と逃げたのだが・・・

ここで△78飛成があったか?▲87角の王手竜取りがあるのだが・・・

それならこれで後手勝ちなのだが、△78飛成に王手竜取りをかけずに▲68金などで泥仕合かも?

それより上の図(91手目)では△38歩という手がある。△48銀打の詰めろなので実戦は▲38同飛と取ったのだが、そこで△27銀と打って勝ち!のはずが、持ち駒が1枚もなくなるのが気になって△78飛成と指した。これがとても良い手に見えたのだが、▲87角の王手竜取りが全く見えていなかった。仕方がないので△87同竜から△27角と打ってげたを預けた

さあ、先手が勝つための条件は①27の角又は47の銀を無条件で外す、②後手玉を詰ますのいずれかである。

はっきり言って後手も生きた心地がしなかった。さて、勝敗やいかに?

なお、途中の進行で▲53歩、△同金を利かしていなかったら△38歩を打てなかった(その1歩がない)ので、全く違う展開だったはず。先手がこの利かしを後悔した理由である