姓は違うが、
名は同じ『悠希《はるき》』
年齢も飾られている。
写真の兄と同じ5歳だった。
史也《ふみや》も、
気づいたようで驚きながら、
「お姉ちゃん。この子・・」と、
飾られている兄の写真に、
目をやりながら、
テレビの写真を指さしていた。
ただの他人の空似だろうか。
そう思いながら、
テレビを見続けていると、
その事件というのは、
10年前の3月末。
悠希君と、
2歳の妹をおいて、
二人の母親が近くのコンビニに、
買い物へいっているあいだに、
自宅マンションに、
誰かが侵入。
驚いて騒ぐなりした悠希君は、
突き飛ばされるかして、
倒れた際に、
カラーボックスに頭を強く打ち。
死亡。
妹はその誰かに、
連れ去られ。
行方知れずになったと、
いうことだったけど。
行方知れずになったという。
妹の名も、
岩井葉月《いわい はづき》ちゃん。
姓は違えど名は、
私と同じ『葉月《はづき》』だった。一体・・
どういうことだ。
私は生きているから、
同名の兄妹のことを言ってるのか。それより・・
テレビで放映されていた。
事件内容には、
まだ続きがあって、
事件から3ヶ月ほどが過ぎた。
7月上旬。
S久島のほうから、
日坂史也《ひさか ふみや》とか言う。
弟の史也と、
同名の20代後半の男性が、
私を連れ。
「3月末にO崎市のほうであった。」
「マンション侵入。」