20XX年。

特定秘密保護法施行後、初の裁判員裁判が行われる。

この裁判は、フリーのジャーナリストAが、政府が指定した特定秘密に関する特ダネを取材中に、その秘密を知る国家公務員Kと揉めてしまい、KがAを殺してしまった、という裁判。


俺はその裁判に裁判員として参加する。


裁判が始まった。


そこで俺は裁判官Rに質問した。

俺「ところで、被害者のジャーナリストAは、どんな特定秘密を調べていたんですか?。」

裁判官R「それが分からないんだよね」

俺「は?」

裁判官R「特定秘密だから教えてもらえないんだ」

俺「いやいや、どんな秘密を調べてたのか分からないと裁判にならないでしょ。もしかしたら国民に知らせるべき秘密を暴く正当な取材だったのかもしれないし、逆にあまりに強引な取材で、秘密を守るためにはやむを得ない正当防衛や事故だったのかもしれないし。そうなれば量刑だって変わってくるでしょ。」

裁判官R「そう言われてもねぇ・・・」

俺「いや、ちょっと待って。じゃあ検察官。検察官のあなたならなんの取材をしてたのか知ってますよね?」

検察官「いいえ、知りません。」

俺「・・・じゃあ、容疑者Kの弁護士であるY!。あんたなら知ってるよな。」

弁護士Y「いいえ、全く知りません」

俺「・・・ちょっと裁判長!まさかあなたまで知らないなんてことはないですよね!?」

裁判長「・・・うん、じぇんじぇん知らない。(キリッ)」

俺「(キリッ)じゃねえよ!!。・・・じゃあ、容疑者であるK!。あなたなら絶対知ってますよね!。どんな秘密の取材だったんですか!?。」

容疑者K「教えられません。特定秘密ですので。教えてしまったら私の罪がさらに増えてしまう。」



俺「・・・・・・こんなんで裁判できるかー!!バカヤロー!!。」





【おしまい】